*なんで二人して風呂入ってんのとかそんなでかい風呂どこにあんのとかそういった事は全て私の夢オチってことで許してください(遺言)









白に溺れる











灯りに照らされて艶めく黒髪

汗ばんでほんのり朱が差した首筋

乳白色の湯から、浮き沈みする度うっすらと見える肌



そして…











ちゃぽん、とぽっ、

さっきから手持ち無沙汰に、リクが手のひらを湯から出したり入れたり。俺はそれをずうっとほったらかして、一緒に浸かっている。


「お前、いつまでそうしてんの」


痺れを切らしてそう言ったのは、リクの方だ。我慢比べとか言うから一緒に入った風呂だったが、もはやぬるま湯。そっちがその気なら、俺は冷めるまで入ってたって構わねえけど。


「なあ、だから悪かったって」


何もしてないよ、お前は。ただ俺のライブにニノを誘うついでに誘ってやったのに、お前が青空教室を終えて、シスターのおつかいに付き合って、村長の思い付きに振り回されて、ピー子にすがりつかれて収穫の手伝いをして…えーと、後なんだっけ?


「だから、ライブに行くの忘れたのは、俺が悪かったから」


別に、俺はお前が来なくたってニノさえ来てくれたらそれで良かったんだ。ああそうだよ。


「だからいい加減、機嫌を…」


だからいい加減、そこが理由じゃないって、気付け。


「…お前って、いつもなんだかんだ皆に甘いよな」

「は?」

「それでいて無自覚っつーのが…」

「意味わかんねぇ」


付き合いきれないとばかりに顔を背けたリクとの間合いを一気に詰めた。


「無防備だっつーの、お前」


例えば、同性として見るとどこか危なっかしそうに見える細い身体のパーツとか、こっちの言動に対してくるくると素直に反応する表情とか、


「なっ…寄るなよ、」

「本気で言ってんの」


うっすらと怯えに似た色も映すのに、完全に拒絶しようとはしない瞳だとか、


「本気に、決まってるだろ」


じゃあなんで今、目逸らした訳。


「…ホント、誘ってるとしか思えねえ」

「は…ばっかじゃねぇの」

「今更?」


前髪から滴り落ちる雫も、俺を押し退けようとする手の感触も、目の前で小さくこぼされた熱い吐息も、

ぜんぶ、全部、


「全部、俺だけのもんだ」


立ち込める白い湯気の背景は、白一色のタイル。乳白色の湯から見え隠れする白い肌に、溺れていく。













「…えよ」

「ああ?」

「俺に来て欲しいなら、来て欲しいって言えよ!」

「……」


夜が明けて、真っ白いシーツの中、真っ赤な顔をして、コイツは。

長い長いキスを贈る。満足するまで味わってから離してやると、事もあろうにコイツは不満を漏らしやがった。

その台詞、そっくりそのまま返してやりたいね。










「息継ぎ位、させてくれ」














*自己満です!!いつもだけど!!orzしかし、リクの仲直り手段が「一緒にお風呂」だったら可愛い///




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