一度味わえば、それはまるで中毒のように
「兄さん…」
「っ…サ、スケ…ん」
訪れる甘さは、忽ち口内を緩やかに支配していく。
「…ふ、…っはぁ……」
「ん…口、開けて」
悩ましげに眉を寄せる兄に、心から愛しい思いが溢れる。己の施す口付けによって身悶えるイタチを、徐々に快楽の深みへと導く。そこに行き着くまでの過程さえも、この熱を上昇させる一つのファクターにしかならない。
控えめに開けられた口から舌を差し入れれば、それに応えるようにイタチが舌を絡ませる。
サスケもイタチも、躊躇いや羞恥といった感情など、とうに心の片隅に追いやられてしまっていた。
「…んっ…サスケ、もう…」
息を荒くさせ、切ない声を上げるイタチは、ほんのりと頬を上気させ、潤ませた瞳をサスケに向けた。
漸く離れた唇の端から、混ざり合った二人の唾液が零れる。その艶めいた姿に、こくりと喉が嚥下して。
「ああ…」
イタチをこんな風に出来るのは自分だけ、だと。サスケは、内に眠る支配欲が満たされていくのを感じ、するりと彼の頬に添えていた手を首筋へ滑らせた。
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昨日がキスの日ということで、突発で書いた産物。
結局間に合わなかったけどね!(…)