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荒い呼吸を室内に響かせ、焦点の合わない恍惚とした表情で宮藤のシャツを掴んだままぐったりと蓮は横たわる。

「浅見、大丈夫か?」

宮藤は気遣うような声色で蓮の顔を覗き込むと、零れ落ちていく涙を指で拭った。
普段の無愛想で口の悪い宮藤からは想像もできないくらいに所作のすべてが優しく、媚薬の効果による高揚感とはまた別の感情が蓮の胸を熱くした。

「せんせ、せんせぇ…」

「…そんなに呼ぶなよ。お前には自覚がないんだろうが、こっちはいちいち煽られてきついものがある」

「っ…あ、う…せんせっ」

自分を見下ろす端正な顔が苦悶の笑顔を浮かべると、蓮は縋りつくように宮藤の首に手を回した。
達したばかりの躰はすぐにまた新しい疼きを生み出し、我慢できない程の欲望が喉から迫り上がる。

「せんせぇ、くださいっ…、先生が、欲しいっ…」

宮藤の耳へと唇を寄せて、ねだるように吐息を漏らす。

「浅見…、」

「奥っ…、もっと、先生ので…、してほしいっ…」

喘ぎにも似た甘い声音で誘うように宮藤を焚き付けると、首筋へとキスをして首に回していた腕を離す。
そうして自身の下腹部をそっと右手で撫でた。

「ここ…、ずくずくして、止まんないっ…先生ので、奥までっ…、して下さいっ」

最後の一押し。
それが決定打だった。

「…おっまえほんと、人がせっかく我慢してんのに。どうなっても知らねーぞ」

熱に浮かされたような妖艶な瞳を向ける蓮を見下ろし、宮藤は眉間に皺を寄せながら口角を上げるとセットされた漆黒の髪を掻き上げた。
こうまで言われて、しないという選択肢は最早あるはずもない。

「どうせお前の初めて貰うなら、もっとちゃんとしてやりたかったのによ。こんな状態じゃ、まともに記憶に残んねーだろ」

「せんせぇ…」

ネクタイを緩めて慣れた手付きで引き抜くと、シャツのボタンを第三ボタンまで外して自身の躰を蓮の脚の間へと捻じ込んだ。
ソファが擦れるようにギシッと軋み、この非現実的な空間を淫靡なものへと変えていく。

「ゴムなんて持ってねーぞ。…とは言え、今更やめてやる気もないけどな」

カチャカチャと音を鳴らしてベルトを外すと、熱く滾る自身の欲望を取り出し濡れそぼる蓮の秘裂へと押し当てた。

「っあ、せんせっ…、」

「…もったいない、お前の痛がる顔も見てみたかったけどな。余計なことしたアイツに、どう感謝したもんか」

滴る愛液を掬い上げるように自身に塗り付け、ぬちぬちと膣の入り口を上下に擦り上げる。
割れ目を宮藤の肉欲が擦る度にすっかり開いた入り口は物欲しげにひくつき、つうっと涎を垂らしてその欲望を誘う。

「もっ、せんせいっ…、お願っ、早くっ…」

「浅見…、お前のそのおねだり上手なとこ、結構好きだぞ」

にやりと口許に笑みを浮かべてそう言うと、ぬっと膣の入り口を先端で押し広げ、そのまま一気に奥まで突き入れた。




Modoru Main Susumu
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