※神童くんが黒い・円堂監督が受けっぽいので注意※
俺は円堂監督が好きだ。
たとえ結婚してても。
「じゃあキャプテン、お先に失礼します!」
「あぁ、気をつけて帰れよ」
最後に残っていた天馬と信助が帰り、俺は円堂監督と二人きりになった。
「話ってなんだ?神童」
「…円堂監督は…俺のこと……好き、ですか?」
思い切って聞いてみた。
「あぁ、好きだぞ!神童も天馬も剣城も…みんな好きだ!」
「そう、ですか」
…思った通りの答えが返ってきた。
円堂監督の"好き"と、俺の"好き"は違う。
でも、好きと言われるのは嬉しかった。
自分で聞いといて恥ずかしくなっていると、
「じゃあ、神童は俺のこと好きか?」
円堂監督が真っすぐな目をして聞いてきた。
「………俺も…円堂監督が、す、す、好き…です」
もしかしたら試合やコンクールのときより緊張したんじゃないかってくらいドキドキしながら言ったのに、
「そっか、ありがとなっ!」
俺の頭を撫でながらキラースマイルで言う円堂監督。
…俺の気も知らないで。
『円堂は昔からそういうのに鈍感でさ…』
前に風丸さんが言っていた訳がよく分かった。
「っ…」
さっきまで触れられていた頭にはまだ円堂監督の大きな手の感覚が残っていて。
恥ずかしくなって俯いてしまう。
「神童どうした?」
「違う……違うんです」
「神童?」
「円堂監督の"好き"と俺の"好き"は違うんです!」
ついに言ってしまった。
「へ!?」
間の抜けた声で全く状況を理解していない円堂監督に、俺はイラついていた。
「円堂監督、鈍感すぎますよ?」
ドサッ
「そして無防備すぎます」
油断してた円堂監督を押し倒すのは簡単だった。
ちゅっ
強引にキスをした。
「ち、ちょっと待て神童!」
「待てません」
「落ち着けって!」
「…もうそんな余裕がないんです」
俺の鼓動は段々早くなっていて、溢れる感情を抑えることが出来なかった。
「俺、円堂監督が…好きなんです」
もうどうにでもなればいい。
後戻りの出来ない恋。
―――――