〜小さな2人の約束〜 全9P

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本日………


偶然におきた、小さな吾郎と小さな薫の出会い……。


ほんの数時間だけ一緒に過ごした中での約束は、その出会いも含め、残念ながら小さな2人の記憶からはその後消えてしまうのだった……。



だが…………



数年後、初めて出会ったと思いながらの2人は、無意識の中でその約束を果たす事となる………。


それは、きっと……目には見えないもので、固く繋がれていた2人だから………。


そして……その後も、お互いを大切に想い続けた2人は、いつの日か4人家族となってこのレジャー施設を訪れる事となる………。


それぞれの家庭から受け継いだ、深い愛情いっぱいの絆を持つ4人の笑顔が並ぶその日が訪れるのは………もう少し先の……未来………。




…………………………


………………………………




そして………その日は訪れる…………







「あ、あれ……?おとさん、大吾は?」




大きな遊具の外に、1人で立っている吾郎の姿を見た薫からの声。

その声に振り向いた吾郎には「?」の表情が浮かんでいる。




「は……?何を言ってんだよ、お前が中まで一緒に付いて行ったんだろ?」

「え……だ、だって、いずみに手を貸してたら、大吾がおとさんだぁ〜って言って走って行ったんだよ?てっきり吾郎が中に入ってきたんだと思って、そのままに………」




そこまでを聞き、顔色が変わった吾郎。自分の目の前で、やはり不安な表情へと変わり始めた薫に問いかけながら走り出す。




「とにかく中に行くぞ……!?お前も一緒に来て、どの辺で大吾と離れたのか教えてくれ!」

「う、うん……!」

「で、いずみはどうしてんだよ!?」

「あの子には、その場から動かないように言ってきたから大丈夫!それにしても、大吾ったら誰とおとさんを見間違えたんだろぉ〜〜こんな髪形の人が他にもいたわけぇ〜!?」

「って……おいっ!?こんな時に、余計な事を言ってんじゃねぇよ!!」




薫によって大声で叫ばれた言葉に対し、思いきりジト目となった吾郎。

その後、大人にとっては狭いと感じる遊具内へと、2人は飛び込むように入って行った。

特に体格のいい吾郎にとっては、頭上にも足元にもかなり注意しながら隙間を探して進むしかないこの遊具内。

薫に先行さえされてしまう自分の進行速度が、どうにも腹立たしく感じる吾郎だった。

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