〜初めて見る後輩〜 全38P
*********************
こちらは、再びの清水家………。
夕食中の大河からの話を聞く為に、食事が終わるのを自室で待つ薫の姿があった……。
「一体……携帯がなんなんだよ……?持ち歩けとか言ってたけど……あたしってば、つい放置しちゃうタイプなんだよなぁ……」
面倒そうに言いながらも、しっかりと自分の携帯を手に持ちベットに寝転がっている薫。
そこへ………
〜♪〜〜〜♪♪〜〜〜
ドッキイイィンン……!
鳴り響いた携帯の着信音。ちゃんと予測していたはずのこの出来事にも関わらず、薫の胸が大きく弾けた。
「ひゃ、ひゃああああ〜〜!?な、鳴った……!?ちゃ、着信って……だ、誰からっ……!?」
飛び上がるようにベット上で上半身を起こした薫は、超焦りながら携帯の画面を開く。
と……そこに表示されていた見知らぬ携帯番号によって、薫には不審な表情が浮かぶのだった。
「え……な、何、この番号……?間違い電話かな……?でも………」
普段なら、まず出そうにはないこの状況……。だが、なにぶんにも先程の大河の言葉が気になる。
そして、まだ携帯が鳴り続いている事もあり、ようやく応答する気になれた薫の指が着信ボタンへと伸ばされた。
ピッ………
「も……もしもし………?」
「お……清水か……?なんだよ、ずい分と出るのが遅せぇから切ろうとしちまったぜ」
「…え…………」
(う、うそだろ……?こ、この声は………)
思いもしない……そして忘れるはずもない声を聞き、驚きで無言になってしまった薫……。
そうはなりながらも、今聞こえた声を脳内でリピートしながら再確認し始めた薫に、吾郎からの声が再度かかる。
「れ……?なんだよ、おい……!なんで黙ってんだ……?お前……清水なんだよな……?」
「ほ、本田っ……!?も、もしかして、本田なのかよっ……!!?」
いつもの呼び名を、かなりの大声で叫んてしまった薫。
その為に、薫の声の大きさに驚いた吾郎からも、大声での文句が返される。
[ 77/173 ][前ページ] [次ページ]
ページ指定は下記jumpより
[しおりを挟む][作品リストへ][トップへ]