〜癒し系なアイツ?〜 全9P

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「おっす!清水!」




登校中の薫が背中越しにかけられた声に振り返ると、そこには昔から変わらない『幼馴染』の無邪気な笑顔があった。




「おはよう、本田!昨日は、国宝級のイラストをありがとうな」

「へえ……!さすがは清水だな?もう辞典の裏になんか気付いたのかよ」

「あんだけでっかく描かれてたら、誰だって気付くよ!それにしても……よく描けたな、あんなの。実は、本田も癒し系の仲間だったりするから……とか……?」




バカにしたような表情での思い出し笑いを始めた薫を横目で見下ろしながら、ニヤッと笑った吾郎が平然と答える。




「チラッと見ただけであれだけ描けりゃ上出来だろ?なのに、美術の成績が悪かったってのが不思議な位だよなあ?」




これまた昔から変わらない得意気な笑顔を向けた吾郎に、薫の胸が僅かに弾ける。

それ本気かよ?と突っ込みを入れたい気持ちさえ、その大好きな笑顔のせいで打ち消された。

そんな自分に呆れながらも、薫は満面の笑顔で吾郎へと言葉をかける。




「本田……!一緒に卒業だな!」




元気いっぱいと言った表現が似合う薫の笑顔……それもまた昔から変わらない。

自分へも元気を分けてもらえるように感じるその笑顔を見て、吾郎の表情が和らぐ。




「おう……!」




大きく立派な文字で卒業式と書かれた看板が立つ校門。それを吾郎と薫は並んで通り抜けた。


春の気配は確実に感じる、晴天に恵まれた今日……。


大勢の仲間たちの笑顔や、ちょっぴり切ない涙顔に囲まれる中で、2人は三船市立三船東中学校の卒業式を迎えた………。


そしてまた……それぞれの新しい未来が始まる………。



end


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あとがき


初書きと言える、三船東時代の2人でした。
私が感じていた吾郎のホワイトデーへの認識はこんなもんです(笑)
ホワイトデーの言葉さえ知らないんじゃん?とも思ったのですが、一応はこのレベルに……(汗)

自分の書いたリトル時代のバレンタイン作品の続きともなってるような?この作品ですが、ネタがホワイトデーなので、蓮音さんからいただいた素敵な友チョコへのお返し作品とさせていただきました。

そして蓮音さんからいずみさんへ贈られた雛あられ作品の卵焼き強奪シーンとは、何気にどころか完全に無許可でリンクさせていただいております(笑)
て、事は……いずみさんのイラストにもリンクって事になりますよね……!ほんと勝手にすみません〜!!(謝)

癒し系のクマは……おわかりになった方も多いはずの「リラ○クマ」がモデルですが、きっと簡単そうに見えたから描いたはずの、吾郎画伯の手によるいびつなクマが見てみたい(笑)

未来は桃子母さん以上の長い年月に渡って、吾郎の身の回りの世話をする薫ちゃん。
桃子母さんを偉大と言っていたその言葉を、あなたこそが……と言ってあげたい!

それにしても……今回もSSを〜と思って書き始めたはずが、またこの長さに……(苦笑)
ここまでのご拝読、誠にありがとうございました。

悠 真那

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