〜苦手?生意気?可愛い後輩?〜 全16P
「あ、それじゃあ……またな、本田……!寿くんに、よろしくな……!」
「は?あ、ああ……じゃな、清水」
薫の言葉に、つられるようにそう答えた吾郎……。そして切れた携帯を机の上に置いた吾郎に、寿也からの声がかかる。
「清水さんだったんだ。なんだか、急に切っちゃったみたいだけど……大丈夫だったの?」
「え、ああ……大丈夫だよ。俺が聞きたかった事も聞き終わってたしな」
「聞きたかった事……?」
「大河と清水が似てるって事だよ。寿も似てねぇって言うから、ちょうど電話してきた清水本人に聞いてみっかと思ってさ」
「その事なら、僕はたぶんって言ったよね……?だって、僕の中の清水さんの記憶はリトルの頃のしか無いのに……はっきりと答えられるわけないもの」
つまらなそうな表情の吾郎から自分の名前を出された事で、苦笑を浮かべてそう言った寿也。それへの答えが吾郎から返される。
「まあ……そりゃ、寿はそうかもしれないけどよぉ……。あいつにも聞いたら、親以外に大河と似てるって言われた事はないんだとよ?」
「え……そうなんだ……?じゃあ、やっぱり僕の言った事も間違いじゃないんだね」
「ま……そう言う事になるよな」
その肯定の言葉とは裏腹に、どうやら全く納得していない様子の吾郎を見て、クスリと笑った寿也。自分に笑われた事には気付いていない吾郎へと、再度、寿也が質問を続ける。
「清水さんに直接聞いてみるほど、それがそんなに気になったんだ?なんだか、吾郎くんにしては珍しいね」
「は?珍しいってなんだよ……?ああ、そういや、今の電話で清水が寿によろしくって言ってたぜ」
「え……本当に?僕もそう伝えたいけど、なかなか会える機会もないしなぁ……。あ……でも、今年は清水さんの弟がうちに入学したんだし、そのうちに公開試合なんかで僕も会えるかもしれないよね?」
「あ……?ああ……かもしれねぇな。さて、と……そんじゃ風呂にでも行くか。寿も行くだろ?」
「あ、うん。そう言えば、今ちょうどその弟がお風呂に行くところとすれ違ったよ」
「マジかよ……!んじゃ、さっさと行こうぜ?あいつに、今日の勝負での事で話したい事があっからさ……!」
「え?で、でも……それなら何も、お風呂で聞かなくたって……」
「今すぐ、話したいんだよ……!いいから、早く寿も仕度しろって……!でないと、先に行っちまうぞ!」
そう言いながら、既に座っていた椅子から立ち上がり、いきなり風呂に行く仕度をし始めている吾郎……。
その後も、ずっと吾郎が寿也を急かしながら仕度を終えた2人が、私室を後にするのだった……。
海堂学園高校 厚木男子寮で、これからは可愛い?後輩となった大河との時間も過ごす事となる吾郎と寿也なのであった……。
end
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あとがき
海堂の選手としての吾郎の公式戦デビュー。そして海堂に入学した大河。
その大河にとって寿也も先輩となると言う、まさに超勝手な悠の妄想世界のメジャ話となってまいりました(苦笑)
どうぞ、それでもいいと思っていただける方は、この先もお付き合い下さいませ。
そして、いよいよ(ようやく?)次作品からゴロカオサイトの作品っぽくなってきます(笑)
ここまでのご閲覧、どうもありがとうございました!
悠 真那より
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