〜留守電へのメッセージ〜 全3P

※吾郎 NPB時代のお話です※



〜留守電へのメッセージ〜




トゥルルルル……トゥルルルル……トゥルルルル……プツンッ……!

ただいま、電話に出る事が出来ません………




携帯へのコール音が、留守電に変わってしまうまでの音………。

この音を滅多には聞いた事のない人物から、かなり珍しくも反応がなされる。




『おい、清水……!なんで、電話に出ないんだよ……!つか……ずっと電話してこねぇのはなんでだよ……!?さっさと電話してこいよな……!!』




と………吾郎が薫の携帯にメッセージを残したのは、つい5分前の事。

だが、たったその5分の間に、返信がこない事へのイライラが更に増すばかりの吾郎なのであった……。



いくら気長では無い吾郎とは言え、ここまでイライラしてしまった事にはそれなりの理由もあった。

実は、この5分前に薫にかけた電話は、既に今日3度目のものなのだ。

ちょうど正午となっている今だが、薫へと朝から3度かけた電話への応答が少しも得られず、吾郎は寮内の私室で1人ヤキモキしているのだった。

月曜の移動日……吾郎にとってはオフとなる今日だが、薫は大学に行っている事はわかっている。

それでも、こんな風に薫からの返信が半日も無いのは初めての事なのだ……。




「ったく……!清水のヤツ……一体、何をやってんだよ……!」




そう言うと、八つ当たりのように携帯を放り投げた吾郎。とは言え、さすがに壁などに向かってではなく、ベット上へと落ちた携帯はそのまま無言でその場にジッとしている。

その様子を、座っている椅子からチラッと見た吾郎は、僅かずつだが冷静になってゆく脳内であらゆる事を考え始めるのだった……。

そこでまず最初に考えたのは、薫に何かあったのでは……?な、心配だ。




「あいつ……まさか、なんかあったわけじゃねぇよな………?」




自分が発した言葉によって、ますます不安が募り始めてしまった吾郎。

もし……もし、薫に何かあったのだとしたら……などと考え始めてしまった吾郎からイライラが消えてゆく。

そこで急に気になり始めたのは、先程残してしまった自分のメッセージだ……。

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