夏の部活は正直きつい。
日本特有の気候のせいなのか、
世界で問題となってる温暖化のせいなのか、
とにかく蒸し暑い。
まるで軽いサウナにずっといるみたいな
こんな中で運動するなんて危険なのだろうと感じることがあるほどだ
(分かっててやってるオレもどうかとは思うが)
テレビでも熱中症のニュースはしょっちゅう流れている
そういや今日の最高気温何度って言ってたっけな、35…6?
いや、考えない方がいいかも知れない
こんな暑い日でも練習を緩めるような監督でも先輩でも無く、もちろん自分もそのつもりだが
なんて、10分休憩の間に夏の暑さについてダラダラ考えてたら、あっという間に終わってしまう
『全く涼しくなんねーし…。』
キャプテンの号令で集合がかかる…が
『あれ、黒子くんは?』
いっつも影薄いしその辺に、…と思ったがどこにも見当たらないようだ、少なくとも体育館内には。
そんな中で、小金井先輩の「…どっかで倒れてんじゃね?」発言に全員が賛同し、とりあえず1年全員で探しにいくことになった。
確かに今日の練習はきつい上に気温も尋常じゃない。
ただでさえスタミナの無いアイツが無事って可能性の方が確実に低い。
探してはみるものの、アイツどこだ?
部室までの道にも部室にも居なかった。
『なぁ、アレ黒子っぽくね?』
降旗の指す方へ皆視線を向けると、
明らかぶっ倒れました感満載の状態でうつ伏せになって伸びている黒子らしきヤツが見受けられる。
『おい、大丈夫か、黒子?』
こういう時はあんま慌ただしくすると頭に響くからゆっくり話しかける、とかなんか聞いたことあるような無いような知識を振りしぼる。
『…はい、なんか動けない気がします』
弱々しくはあるが、返答が来たことに少しばかり安心する。
だが、様子をみる限り体調が悪いことはすぐわかる。
いつもなら体育館で突っ伏してたとしても、顔は真っ赤だったが
今は顔も白くて気分も悪いようだ
おそらく熱中症だろう
『キャプテンに黒子は保健室に連れてくって伝えろ』
こんな廊下じゃ、暑いだけだし
とりあえず保健室で看てもらうのが一番だ
というか、この廊下保健室に近いし
ガラッ
『すんませーん、熱中症患者なんですけど…って人居ねーし!』
何故かクーラーだけはガンガンに効いてるけど、
節電はどうした!?、っていうのは今は関係ないな、うん。
『どーする?横になるか?』
『…はい』
かなり重症…なのか?
あまり詳しくは知らないが、熱中症にも危険度があるって聞いたことある。
けど細かい症状とかはさっぱりだ。
『とりあえず、身体冷やさなきゃだよな!』
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その後すぐに監督やキャプテンが来てくれて、身体を冷やすとかスポドリを与えるとかで済む症状だったようで安心した。
監督には練習に戻れと言われたが、
相棒がこんな状態じゃ集中できない、と押し切って看病することにしたので
今は保健室に2人っきりである。
『…あの、すみませんでした、火神くんも練習戻ってくれて大丈夫ですから』
『ばーか、誰か1人は付いてた方がいいだろーが』
『…でも、なんか悪いです、気分もだいぶ良くなったし』
まだしんどそうだけどな、
『お前はなんも悪くねーから、黙って寝てろよ。…それにオレだって気付いてやれなくてさ、その、悪かったな…』
『…え?火神くんは何も悪くないです、』
『というか体調悪いならオレにでも監督にでも言えよ、いきなりぶっ倒れられると困るだろ』
『はい…すみません』
『いや、謝れって訳じゃねーけどさ、』
『でも、火神くんたちが探しに来てくれてすごく安心しました。いきなりめまいして、立ってられなくて、保健室向かおうと思ったんですけど無理でした。』
『うわ、早く発見できて良かったわ』
『そうですね…あの、ありがとうございました』
………。
『…お、おう。…とりあえず寝ろ!んで早く治せ!』
そうしますね、ってすぐに視線を逸らしてくれて助かった。
あんな笑顔みたこと無かったから
『(マジ顔熱いんだけど…)』
コイツが苦しんでるのは嫌だけど、
あんな笑顔がみれるなら
何度でもオレが見つけ出して
絶対に救い出すから。
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黒子おおお無事かあああって叫ぶ火神くんもいいなって思ったけど、今回は優しさ全開でいきました。
黒子は絶対熱中症なると思う。だって暑いもん。弱ってる人って可愛いですよね←
fatigue「疲労,疲れ」って意味です。
2012*8*13
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