『すみません、明日は無理です』


部活漬けの毎日で飽きるってことは

まあ有り得ないが、息抜きは必要だ


カントクがその日に用事があることも重なり、
一週間ほど前から明日は部活が休みになることが決まっていたのだ。


せっかくだからコイツとどっか出掛けようと思ったのだが


『なんか用事?』

『はい、もう予定入れてしまってて…』

『…あっそ、まあ用事あんなら、しゃねーか』


すみません、またの機会にお願いします、
と丁重に断られてしまった。



その後は特に明日のことに触れる事もなく、

部活も終わり、

いつも通り他愛も無い話をしながらマジバに行き、

大量のハンバーガーで空腹だった腹を満たし、


じゃあ、また明日な、
と言おうとしたときに

『それじゃあ、また明後日、ですね』

と言われ、
そういえばそうだったと思い出す。

『そうだな、じゃ、明後日な』

と、

理由も全く分からないが、妙にモヤモヤとした気持ちを抱えて帰路についた。




家に着いてからもそのモヤモヤは晴れないで、むしろ増幅してる気さえする



なんだよ、明日部活無いからか?

いや、でもそれだったらモヤモヤよりイライラな気がするし

カントクから「明日はバスケ禁止よ!たまにはリフレッシュしないと、ホントに脳内バスケだけになるわよ!だから、バスケは禁止ね!!」

と強く念押しされたため、バスケはしたくても出来ないよな…けど、

そんな感じのモヤモヤじゃないんだよな…



と、ウジウジ考えても埒があかない、

こんな時は寝るに限る!

強引に考えることを中止し、

部活で疲れた身体を横にして
ベッドに潜り込んだのだった。







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翌朝…いや、翌昼

『…14時だと!?』


昨晩は結局寝つきまで悪く、

最後に時計をみた時刻でいうと

3時半を少し過ぎたぐらいだった


それにしても寝過ぎな気はするが。



家にあった食材で、適当に朝昼兼用のごはんを作り空腹を落ち着かせる


起きてからドタバタとしたため
もう、時刻は15時を少し過ぎていた。


だが、せっかくの休みにずっと家に居たんじゃつまらない、


『(買い物がてら駅の方まで行くか…)』
と心を決め、出掛けることにした。



モヤモヤは昨日よりはマシになった

イマイチ理由もハッキリしないので

直接の解決には至ってはいないが、



『(なんか、また腹減ったな…)』

さっき飯食ったばかりだが、
そこまで量も多くなかったので
よしとしよう、


ちょうど謎の決意した瞬間に
目の前にマジバが見えた。

もはや運命だな、と気分上々に入ろうとしたときに、足が止まる。

ガラス越しによく知った顔が
目に入る、あれは、


『(青峰と…黒子、だよな?)』



何故あの2人が、というより

何故昨晩のモヤモヤが復活しているのが疑問だ。

しかも昨日よりかなり緊張感が増したような、スゴく嫌な感じ

そりゃ、あの2人が特別である、ということは知ってる、

元相棒で元エース、アイツの、黒子の光だったやつ、


『(昨日言ってた予定って、青峰と会う、ってことだよな?)』

別にいいじゃないか、
休みの日に黒子が誰と会っていようと
関係ないじゃないか、


『─くそっ…』


なのにオレはなんで

───アイツらから避けてるんだ?
 



あの2人を見かけた後は
何も考えずに家まで戻ってきてしまった

結局何のために出かけたのかわかったもんじゃない、買い物も何もせず帰ってきたし

それでも腹だけは減ったから、家にあったほぼ残り物みたいな材料を使い食事は済ませた。


なんなんだ、一体、
モヤモヤもするが今日は何故かイライラも強い。


明日は普通に学校だし部活もあるのに
今は黒子と普通に会える気がしない。




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何故でしょうか。
朝練、授業中、昼休み…

ことごとく火神くんに避けられてる気がします。

練習も集中力切れすぎでカントクや先輩方に怒られてたし、

授業の合間の休み時間も
いつもなら適当に話したりしてたのに
今日は一言も会話をしていないし、



そんな調子で放課後の部活になり、


『ねぇ、火神くん、どっか調子でも悪いの?』

『…え、全然大丈夫だ…です。』


朝から調子は全く変わっていないみたいなので、

ここは単刀直入に聞いてみる。

『火神くん、何かあったんですか?』

『………何もねーけど?』

明らかに目を逸らされる

確実に何か隠している様子

それと…おそらく僕に怒ってるのだろうか、


『カントク、火神くんが体調が悪いそうなのでちょっと保健室に行ってきます』

『…はぁ?!おい、黒子?!お前勝手に何言って…』


カントクからはすぐに許可が降りた。

まあ朝からのあの様子をみたら練習させても意味がないと判断したのだろう

無理やり火神くんの手を引き、
体育館の外に連れ出す。

誠凛のエースを立て直すために
僕が話をつけようと思います。



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今日1日、できる限り黒子から避けてきた

自分でもよくわからないが、いつも通りとか何か無理だったから

しかし部活でも、教室でも
いつも近くに黒子がいる

別にケンカした訳じゃないから
どうしたらいいのか見当もつかないしこのままじゃバスケにも支障をきたす
というかもうかなりきたしてる…



『火神くん、何か隠してませんか?』

『…何だよ、別に関係ねーだろ』

『関係あります。練習中も集中してないし、僕がパスしようとしても思いっきり無視だったじゃないですか。』


悪い…とは思うから、言い返す言葉がない
でも、どうしたらいいっつーんだよ、

『あの…どっか悪いんですか?昨日なんか無茶したとか…昨日は何してたんですか?』


昨日か…
まあ全ての元凶は昨日のことだけどな


『別に?何もしてねーけど、お前に断られたし』

『え?はい、すみません、予定あったので』

『だろうな、青峰と会ってたもんな?』

『…え?何で知ってるんですか?』

『…あ』

『?』

しまった、けどもう考えんのもめんどくせーし、全部言ってしまおうか、

『昨日マジバで見かけたんだよ。…相変わらず仲良いんだな、なんか楽しそうだったしさ。オレと居るより青峰と『ちょっと待ってください』

『あの、勝手に何言ってるんですか。というか怒ってる原因それですか?』『自分でもよくわかんねーんだよ、一昨日にお前に断られてからなんかモヤモヤするし、昨日見かけてからはすっげーイライラするし…』


『…嫉妬ですか?』

『なっっ!いや、違うだろ、』

どうゆう意味だそれ、
というか誰にだよ、黒子か?青峰か?

『火神くんは、僕が青峰くんと会ってたのが気に食わなかったから怒っていた、ということで良いんですか?』


そう言われてしまうと何かそんな感じな気がする、ので適当に相槌を打つと

『別に仲良くないですよ。部活が休みって分かってたので彼にシュート練習付き合ってもらったんです。それで帰りにマジバ寄った時に見かけたんだと思いますけど。あと桃井さんも一緒に居ましたから2人じゃないです。というか見かけたなら話し掛けてくれたら良かったのに』

『いや、でも…てかバスケ禁止って…』

『それは火神くんだけだと思います。あと火神くんと青峰くんが会うとすぐ勝負したがるので僕の練習にならないと思って火神くんは誘わなかったんですけど、そんな寂しい思いさせたなら謝ります、すみません(笑)』


『寂し…って、笑うなっつの、おい、黒子お!!』


なんだかんだで普通に話せる自分がいる。

寂しいってところは実際は肯定しなくもないが、
認めるのはなんか悔しい。


いっつも一緒に居た中で
急に1日空いたからあんなにモヤモヤしたんだろう、
光には影がくっついてなきゃダメなんだなって変に納得してみたり

なんだ、話してたらなんか落ち着いた。

『じゃあ、今度シュート練付き合ってやるよ』

『え、でも火神くんはほぼダンクじゃないですか。シュート練に関しては青峰くんに頼みます』


なんかちょっとイラってしたから
頭ぐしゃぐしゃにしてやった。





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火神は「好き」という感情には鈍いと思うんだよねー。今回は黒子は途中から気付いてるけど、火神に気付いてほしいから結構遠回しに話してる感じですね。火→←黒なんだけどくっついてない感じを出そうと頑張ったつもりなんだよね。火神くんはかなり嫉妬心強いと萌えます(笑)
青峰は黒子のことどう思ってんのかね…(笑)


misunderstandは「誤解する」って意味です。

2012*8*15








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