魔法 | ナノ


「っり、リドル!」
「何だい、大きな声をだして…あまり暴れると目測を誤るんだけど」

そう言ってするりと杖先で腹をなぞるリドルにぞっとした。目測を誤る?ちがう、ワザと間違えるんだろう!
そう思うもぎゅっと形を変えて楽しむ様に揉まれる胸とちゅっちゅと悪戯に首筋を舐める舌に文句が言えなくなる。後ろからぴったりと擦り合わされるリドルの体は、何時も部屋に籠もって勉強ばかりしているくせに酷く魅力的だ。真っ白な肌にみっとも悪くない程度に備わった筋肉が薄らと筋を張っている。ゆるりと絡め取られ摺り寄せられる足は私の贅肉だらけのそれと違ってとってもしなやかなシルエットだ。

そんな男としての魅力を孕んだ体を惜しみなく擦り付けられている所為でモカも体は先ほどから仕様のない微熱に侵されていた。絶え間なく体中を刺激してくるシャワーの湯ですら、酷くもどかしい。きゅうと硬くなった乳首を絞る様に弄られながらも、モカは必死に訴えた。

「ホントに、もう大丈夫だからっ」
「膣内に異物感があるからセックスは嫌だと駄々を捏ねたのは君だろう、」
「っ! は、恥ずかし気もなく…!それは、リドルがそのっひう」
「僕が、なに?」

ぐりぐりとリドルの短く整えられた爪が乳首を嬲った。ピリっと走る痛みにぞくりとしたが、下腹部で彼の杖腕に握られた杖が悪戯に割れ目をなぞるから溜まったものじゃない。痛みと甘み、リドルがセックスの折に与えるこの相容れない二つの仕様のない塩梅。モカはもうこれの虜になっていた。何度も彼の言う通りに重ねて来た体がモカの思惟に反して従順に反応する。杖先で円を描くように恥部を遊びながらリドルはそんなモカを見てとり、くすりと嗤った。

「体の方は余程素直だなモカ。嘘をつくほど、僕とのセックスは嫌い?」
「ひぁっみ、 耳はだめっ…!」
「___それとも、その逆かな」

耳の裏をべろりと舐め、呼吸を押し込む様に喋るリドルにモカは嫌々と首を振る。ぎゅうと縮こまったモカ体を後ろから無理やり矯正しながらリドルは続ける。

「とても魅力的な誘い文句だったよ、モカ。まさか、君がそんなにも僕を求めて淫靡な感覚に身を悶えさせているとは思わなかった」
「なっ…!」
「そうだろ? 何せ、膣内に僕の感覚を回帰させてしまう程だ。何でもない顔をして、何時も僕に欲情していましたなんて、ベッドの上の誘い文句としては上出来だよ。…一体誰に教わったんだい」

そこまで言われて、漸くモカは何を言われているのか解った。
無意識だとは言え、とてつもなく破廉恥な事を口にしていた自分に気づき熟れた苺のように顔が赤く染まった。そんなモカにくすりと笑って、リドルはその黒髪に鼻先を埋めた。

「まあ、僕以外だったら許さないけど」
「ンッン!!?」

甘く昏い囁きと共に、つぷりとリドルの杖先が膣内に埋もれた。未だ幼く、リドル以外のモノを受け入れたことのないナカにつぷつぷと侵入してくる無機質な感触にビクビクと背筋が波打つ。異様な異物感の恐怖からかモカの足はぴんと張りひくひくと震えている。子どものように丸まっていた体は反り、リドルの体に擦り付ける様に甘く踊る。必死に逃げようともがく手がリドルの二の腕をきゅうと握りしめた。

「あっひゃっり、りど___まだ、入ってぇ…!」
「僕の杖は長いからね、まだまだ入るよ。____普段、届かない所まで入っちゃうかもね」
「〜〜〜〜っ!!」

くすりと笑い声ごと囁かれた甘言にモカの背筋がぞくぞくと波打つ。そして宣言通り止まることなく自分の腹の中に埋まっていく異物に頭が可笑しくなりそうだった。どこまで行くのか、どこまで串刺しにされてしまうのか。考えると恐い筈なのに、同時に酷く甘い期待が頭の隅をよぎる。リドルの肩口に頭を擦りつけながら、そんな感覚に悶えさせるモカを解っている様にリドルは酷く愉し気に恋人の恥部を弄んだ。

「ひゃんっ!」
「…ああ、行き止まりみたいだ」
「ああっ!ぐ、ぐりぐりしちゃらめぇっ!」

壁にようなものに行き当たると、まるでそれを確かめる様にリドルが杖を泳がせた。その所為で普段は触られない奥の奥を繊細に刺激されモカの体がびくりと跳ねた。感じた事のない感覚に上がった嬌声は悲鳴に近かった。

「まだ後5センチくらい余ってる…押し込んでみようか?きっと最高に気持ち良くなれるよ、モカ」
「あ、っあ…」
「ああでも、抜けなくちゃったらごめんね」

そういって笑うリドルは酷く愉しそうだった。

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