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ワタルさんが職場でエッチなことなんてするはずない!


この人はこういうことを好まないと、思っていた。

しつこいほどに膣を愛撫していた指が、ゆっくりと抜けていく。彼にまとわりついた熱が、名残惜しいというように糸を引いているのが解る。それに引き戻される様にして指の腹で割目をなぞって、遊ぶように少し指を埋めては戻される。

それをされると、お腹の深い所まで指が入っていた感覚を思い出す。さっきまで彼の指がナカを撫でて、それが嬉しいというようにぎゅうぎゅう彼の指を締め付けていた。____もっと、奥の方に欲しい。脳裏に過る浅ましい欲に、視界がチカチカする。

「ン、 ァ ワタル、さ」
「ああ」

恋しく名前を呼べば、後ろから大きな手が髪を撫でてくれる。同時に指がずぶりと奥に押し込まれて全身が粟立つ。我慢したいのに腰が跳ねてしまう、後ろにいるワタルさんもそれが解っているはずなのに何も言わない。代わりに、イイ子だというようにわたしの頭を撫でてくれる。

「ゆび はい、 って」
「そうだな」
「だめ も、 きも、ち ぃ!」

ゆるりと入ってくる二本の指が、ぐるりと回って膣のザラつきを確かめるように撫でる。クリトリスの裏側をとんとんされると頭がしびれて、強請るように指を締め付けてしまう。きつく締め付けているのに、ワタルさんの指は止まらない。それどころか子宮からこぼれる愛液を愉しむように、指ですくってはナカにこすりつけるように動かした。

逃げたくても机の上に俯せている状態ではどうにもならない。どんどん熱を孕んでいく子宮が、何を求めているのか解る。丁寧に何度もなんども時間をかけて教えてもらった快感を思い出して、それだけでイってしまいそうだ。

そんな状態なのに、ワタルさんがぐいと指を更に押し込めて指の先で…子宮のおくちに触った。びくんと体が跳ねてしまう、暴れそうになる足をワタルさんの手が抑え込んで何度も指で圧し込むように触れる。

いつもワタルさんの熱に吸い付いて離れないところを、指で労わる様に優しく撫でてくれたと思えばトントンして。それをされると、頭が、身体が、セックスしていると勘違いして、____も、ダメ で。

ガタンと、机が揺れた。頭が真っ白で、足の先っぽまで痺れるほど気持ちいい。子宮が、膣が心臓みたいにびくびく跳ねて、ぎゅううとワタルさんの指を締め付けているのが解る。…イ、ちゃった…また。

(お仕事、するところ なの、に)

その事実が、今更蘇ってきて。背徳的な感覚にくらくらする。
子宮からぷちりとあふれ出た愛液をワタルさんの指が受け止めて、子宮のお口に塗り付ける。勘違いした子宮が、ちゅうと彼の指に吸い付いたのが解った。

ゆっくりとワタルさんの指が抜ける。イった余韻でぼうとしている頭に、カチャリという音が聞こえた。あ、してくれるんだ最後まで。どこか冷静な自分が言う。

チャンピオン専用の執務室に置かれたアクリルのネームプレート、そこに刻まれたワタルさんの名前を意味もなく視線で辿った。机の上に投げ出したわたしの手に、日に焼けた大きな手が重なる。武骨な指、短く切りそろえられた爪、…見慣れてしまった傷跡。

ゆっくりと背中に重なった重さと、膣口をなぞる熱量に息が詰まる。

「ミシャ」
「  ぁ、」
「息を」

ずぷりと、挿ってくる重さに体が強張る。指とは比べ物にならない質量に、焼き鏝みたいな熱さ。何度も受け入れている筈なのに、どうしていつもこんなに最初が辛いのだろう。ワタルさんの手がわたしの手をぎゅうって握って、意識を逸らさせるようにクリトリスを愛撫する。

暴れるわたしの足をワタルさんが太腿で抑え込んで、すこしずつ奥へと腰を進める。やりかたは強引なのに、髪に鼻先を埋めてキスをする仕草は酷くやさしい。そのギャップに混乱している内に、ワタルさんの熱がぴたりとわたしのナカに埋まった。

「は、 ぁ な、 なか、いっぱ い」
「ああ」

苦しくて逃げ場を探すわたしの手を抑えて、逆手でブラウスの肩口を落とす。ワタルさんの舌が背中を舐めて、戯れのように肩を噛んだ。それをされると恐いのに、ワタルさんは解っていて執拗に嬲る。

舌先で首筋を辿られると体の力が抜けてしまう。ナカを締め付けていた力が弱くなって、彼の熱で膨れたお腹をワタルさんが愛おしそうに撫でた。

「ン ア ら め、」

力が抜けてナカに馴染んできたのを感じると、すぐにワタルさんが腰を動かし始める。ゆっくりと熱が抜けて、ぐんと戻ってを繰り返す。ナカを押し広げている熱が抜ける時がきもちい、亀頭の反り返りが膣をひっかい、て。もっとしてほしいのに、ワタルさんは抜く時ばかりじりじりと焦らすような腰使いをする。

「ぬく、の ゆっくり、 しない ン で」
「そうしないと直ぐにイくだろう」
「ン ぅ、そ んなこ あっ」

ぐりと戻って来た熱がナカを満たして、亀頭で子宮のお口を押しつぶされる。もう単なる性感帯でしかなくなった子宮をぐりぐりされると、お腹がどんどん重くなっていって、変な声が出そうだ。

ワタルさんがわたしの腰を掴んで引き寄せる、更に奥へと反りが子宮を押し上げる。それが怖いのにきもちよくて、ワタルさんの腰にお尻をつけて動けなくなってしまう。タイツが床に滑って、辛うじてついている親指が滑りそうだ。あ、パンプス、どこにいっちゃったんだろう。

動けないでいるわたしのブラウスをストラップごとずらして、ぷちんとワタルさんがブラジャーのフックを外した。後ろから入り込んできた手がぎゅうって胸を掴んで、とっくに硬くなっていた胸の先を指で摘まむ。

「ミシャ、少し体を浮かせられるか」
「ン、 」
「ああ、そうだ。良い子だな、」

それがどうかなんて考える余裕はない。今にも力が抜けそうな腕でなんとか体を起こせば、空いた隙間でワタルさんが胸を遊ぶ。するりと形をなぞるようにして、大きな手で揉まれるときもちいい。敏感になった先を確かめるように指で圧し潰される度に、ぎゅうとナカの熱を締め付けてしまう。

「はぁ、 ア 」
「奥に入れてもいいか」
「イ、 ら、め !」

後ろから抱きしめてくれたワタルさんが、怖いことをいう。アレは、されたら動けない。家なら未だしも、いまは職場で。ダメダメダメ、そんなのはいけない。

「やら わたるさ、」
「…もうすこし蕩けさせてから聞くことにする」
「ヤ イヤ、やら」

妖しいことをいってぐりぐりと子宮口に亀頭を擦り付ける。それをされると残った理性もどこかにいって、本能のまま彼を求めてしまいそうだ。嫌だ、いやだ。子どもみたいに繰り返しているのに、ワタルさんは聞こえていないのか。逃げようとするわたしの身体を抱きしめて、子宮の奥に入り込もうと腰を揺らす。

どんどん子宮が重くなって、亀頭に吸い付いた口が緩くなっているのが解る。頭が可笑しくなりそうなほど気持ち良くて、アレをされてしまう前にイってとワタルさんの熱を締め付けた。締め付ける度にわたしのナカに入り込んでいる彼の大きさが解って、どうにかなってしまいそうだ。

「ァ ア はや く イ、 イって おね、が」
「俺のことが嫌いか」
「ち、 が 」
「なら良いだろう、君の一番深い所でつながりたい」

とんとん。子宮を揺らすような動きに合わせて、低い声が耳元でささやく。とろんっと理性が蕩けてしまう、あ、いいか。だって彼が望んでいる、大好きなワタルさん。彼の望むようにしてあげたいって、女としてのわたしが言う。

「 ___ ア、」

お口が、蕩けて。ワタルさんの亀頭が少しだけ奥に、進んで。受け入れてしまう、頭を満たすきもちい期待と恐怖に震える様子を見て、ワタルさんが乾いた唇を舐める音が聞こえた。







子宮の奥に俺の熱を抱いてぼんやり呼吸をしているミシャを見て、申し訳ないという気持ちよりも先に、胸が透くような満足感が来る。この体の深いところにある洞が満たされる感覚に安堵して、彼女の頬にキスをした。

「、 な、か」
「あとで俺がやる、今はこのまま」

足首のところで包まっていた下着とタイツを履かせる、俺が脱がしたのだからそれが道理だろう。まあ、腹を愛液と精液で満たされたミシャにしてみれば少しばかり気持ち悪いかもしれないが。

先に掻き出したいというように下りてきた指を掴み、そっとテーブルの上に戻した。そのまま孕んでしまえと思っているのは黙っていよう、このまま俺の与えた熱の余韻で蕩けていてくれれば遅かれ早かれだ。下着とブラウスも着せて、汗ばむ髪に空気を含ませるように撫でる。

眠いのか、とろんとしている瞼を促すようにキスをして。自分の身も整える、…ミシャが掴んだのか少しスーツが皺になっているが問題ないだろう。

ミシャを抱き上げて、執務室の奥にある仮眠室へと入る。簡易ベッドだがソファよりマシだろう、寝かせたミシャと額を合わせて今にも眠ってしまいそうな彼女に言い聞かせるよう言う。

「残った仕事を片付けてくる、すぐ戻るが眠っていてかまわない」
「ン…」
「君のカバンも取ってくる、俺の家に帰ろう。それでいいな」
「…は、い」

情事の香りを色濃く纏うミシャにあてられて、我慢の効かない手がするりと彼女の身体を撫でた。スカートの中に何が隠れているか知っている。清廉な彼女を好きなように暴き、この一番深いところで俺を愛してもらった。もちろんその愛に俺は答えた、その証がこの小さな腹につまっている。

それを考えると眩暈がした。満足したはずの欲がまた込み上げくる、…きっと彼女は受け入れてくれるだろうが、早く離れた方が良い。名残り惜しさを唇に残して、足早に仮眠室を出る。

呼吸を整えて、執務室の換気扇を入れる。見る人間が見れば、情事の後など気づかれてしまうだろうがしないよりはマシだろう。ふと甘いミシャの香りがすることに気づいて、ああと袖口の香りを確かめる。そこにはミシャの香りが残っていた…こればかりはどうしようもないな。

諦めて備え付けの洗面で身なりを整え、乱れた髪を撫でつける。ポールからマントを手に取って執務室を出ると、タイミングが良いのか悪いのか、俺に用事があったらしいリーグスタッフが駆け寄って来た。

「ワタル様、お帰りのところ申し訳ありません。あの、先ほど急ぎで追加の資料が送られてきまして」
「ああ、なんの資料かな」
「来週の打ち合わせ資料です、次のリーグ運営予算案に____」

渡された資料に目を通していると、不自然にスタッフの言葉が途切れる。なにかと見れば、ぽかんと口が空いていて。俺と目が合うと、慌てた様子ですみませんという。

「どうかしたか」
「いや、あの。 …ワタル様、香水をつけてらしたんですね」
「…ああ、たまにな」

しどろもどろなスタッフに、当たり障りのない言葉を返す。しらばっくれたヤツだ、女物と気づいているだろうに遠回しな言い方をしてくれる。

「内容は分かった、明日朝一で確認して必要があれば連絡する」
「はい、よ ろしくおねがいいたします!」
「夜遅くまですまない、もう定時だろう。君も早く上がるといい」
「いえ、このくらいワタル様に比べたら… あ あの、失礼いたします!」

それ以上に聞きたいことがあっただろうに。いろんな言葉を呑み込んで逃げるように去って行くスタッフを見て思う。…いい加減、ミシャとの関係をオープンにしてしまおうか。俺はそれでもかまわないと思っているのだが、どうにも彼女が首を縦に振ってくれない。

(困ったものだな、)

そう思うのに、俺は自分の口端が弧を描いているのを知っている。不思議とそれすら可愛らしく思えるのだから、本当にミシャはどんな魔法を俺につかったのか。

今度それとなく問いただしてみようかと思いながら、リーグの石畳を歩く。その度に彼女の香りが揺らめいて、まるで天国にいるような心地がした。

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