カエルになってしまった恋人を元に戻す方法
〜共通のあらすじ〜
海賊男たちが呪いでカエルになってしまった! 呪いを解くには恋人のキスが必要らしい、けれど恋人は極度なカエルが嫌いでとてもではないが近づけそうにない! どうする海賊男!
海賊男たちが呪いでカエルになってしまった! 呪いを解くには恋人のキスが必要らしい、けれど恋人は極度なカエルが嫌いでとてもではないが近づけそうにない! どうする海賊男!
ロロノア・ゾロ | 関係ねぇさっさと戻せ
「やーーーっ!」
「ぎゃーーーっ オルガが大ガエルに襲われてんぞ!」
「いや待てウソップ、あれはゾロなんだ! だから大丈夫だ!」
「なにがどうなってそうなった!?」
ウソップの叫び声が遠くに聞こえる、チョッパーが制止しているようだが関係ない。そんなことよりも助けてほしい、目の前に迫る緑色でねとねとした気持ちの悪い生き物。鼻を突く厭らしい匂い。必死に掌で押し返しているのに、ぐいぐいと顔を寄せてくるその必死さの気持ち悪いこと。
むりだ、生理的にムリ。いったいどこの世界に、カエルとキスなんてできるはずがない。
「オルガ、この本によればゾロの呪いはキスで解けるんだ!だから我慢してくれ!」
「いやいやいやいや、むり!むりーー! なみさんっ、なみさんたすけ」
「わたしパス」
「ろ、ろび、」
「ふふ、楽しそうね」
「オルガさん、もう少し足バタバタさせてみてください。パンツ見えそうです」
どうして、同じ船に乗っている仲間なのに味方がいないのか。
唯一助けてくれそうなサンジや、割と常識的なフランキーとジンベエは自由奔放な船長に連れて行かれて不在。最早わたしに見方はいない。ああ、わかっている。この未開の島にあって、剣士である彼の存在は必要不可欠だ。
一瞬、一瞬我慢すればいい。ごくりと唾を呑んで、意を決して目を開く。眼前に迫るドアップのカエル。
「 やっぱむっ ____ん、ぐ」
その時の感触は、思い出したくもない。
ぼふんと、どこからともなく煙が立つと共にひどく重たいものが体に圧し掛かってくる。胸を押しつぶされて痛いが、それ以上に一瞬過去に起きたことが信じられなくて頭が真っ白だ。
「ゾローーー!」「もどったーーーー!」
「案外あっさり戻ったわね」
「っ___くそっ、とんでもねぇ目にあった。 おい、オルガ生きるか」
腕を立てて体を持ち上げたゾロだが、わたしの反応がないことに気づくと「おい」とぺしぺしと頬を叩く。その痛みに、これが現実であることを知り___同時に、じわりと涙が浮かぶ。
「げっ」
「あ、ダメですよゾロさん。またオルガさん泣かして」
「うっせー、しょうがなかったんだよ黙ってろ!」
「ふふ 仲直りが必要みたいだから、わたしたちは少し下がってましょうか」
ロビンが気を利かせてくれた、この男が女々しく泣く女を上手に慰めてやれるはずもなく。
わたしは暫く、ゾロを見ると吐き気に襲われたし。ゾロはゾロで、不貞腐れて酒の量が増えたらしい(近づけないので人伝に効いたはなしだが)。
最終的に※不慮の事故※で、チョッパーが短気記憶を歪ませる効果のある薬品を零してしまい、わたしは事を忘れて駄々っ子のように引っ付いて離れない困った恋人を訳も分からないまま、暫く慰めることになった。
![](http://static.nanos.jp/upload/h/haruhotaru/mtr/0/0/20170807222703.gif)
シャーロット・カタクリ | 無理やりなど…できない…
「さっさとチューしやがれ!」
「むりむりむりむり」
「アンタ我儘いうんじゃないよ、カタクリお兄ちゃんが一生カエルのままでもいいっていうの!?」
ブリュレさんがそう言って、後ろに聳えるものを指差す。そこには2mはあろう大きなカエルが鎮座していた。その顔は何を考えているかわからない、わからないけれどこちらをじっと見つめる瞳は確かにカタクリさんと同じ色をして、
「うわああああん きもちわるいいい」
「ちょっと、お兄ちゃんになんてこというの!」
「うえ う、むり むりです、きもちわるい カエルきもちわるいいい」
苦しそうな嗚咽を零して蹲る姿は到底演技とは思えない。いままで5m近くある…世辞にも人受けするとは言えない自分を受け入れてくれた恋人からの初めての拒否が効いているのだろう。心なしかずんと重い空気を纏っているカタクリ(カエル)を、オーブンは「げ、元気を出せ」とそっと肩ポンした。
「カタクリがいねぇとこの後の任務に支障がでんだよ、目つぶらせてさっさとぶちゅっとさせろ」
ダイフクの言葉に止めろというように、カタクリ(カエル)が首を振る。
「だが、そうしなければずっとこの姿のままだぞ」
オーブンの言葉に、カタクリ(蛙)が沈思する。
![](http://static.nanos.jp/upload/h/haruhotaru/mtr/0/0/20170807222703.gif)
サー・クロコダイル | 寝ている時にさっさと済ませる
「むりです」
震える体を抱きしめて、そう小さく呟いた。
テーブルの上に鎮座する、黒くて大きなカエル。部屋に入ってくるなり、それに気づいて逃走したのをボーネスが回収して、漸く本題に入ることができた。
一通りの説明を受けたオルガだが、出てきたのはそんな言葉だった。まあ、カエルとなった自分を見たその顔で凡そは察していた事態だ。ワニも苦手な女に、カエルとキスをしろなど到底ムリな話であった。
「ゲコッ」
「ひっ」
![](http://static.nanos.jp/upload/h/haruhotaru/mtr/0/0/20170807222703.gif)
赤髪のシャンクス | カエルは蛙で楽しい!
「あのバカに戻る気が残っている内に、さっさとキスしてこい」