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Idia.Shroud | He's just anxious

「見て見て、ついに免許とれたの!」 ぺかーっ
「はい嘘松乙〜、チミみたいな注意散漫な多動が免許取れるわけなくて草」
「嘘じゃないもん、ホントだもん! ほらほら」 免許ぐいぐい
「ちょ、いたい 押し付けんな、僕にも最低限の人権はあるんだぞっ …マジ?」
「ふふ〜ん」
「…偽物じゃない、輝石の国の免許交付センター」
「ふっふ〜〜んっ」 得意げな顔
「……」 じとり
「どう見直した? わたしもね、やればできるのよ」
「はいはい、っで。君という走る棺桶に免許交付した無能メンターはだれ」
「それは失礼すぎるでしょ、イデア!」
「イーーーーーーーーーヤ、これはこの世界安全機構に関する案件ですからして。僕の目が黒いうちは君のようなす~~~ぐイキり散らす頭の年中春のお花畑女に最高速度100km/hの鉄の馬車を運転する権利なんて認めません!! なお、異論は認めないんで、そこのところよろしく」
「チャリオットは乗っても何もいわないじゃない」
「アレはS.T.Y.X.製で僕が遠隔操作できるから許してるだけですしおすし」
「…なにそれ聞いてない、聞いてないんだけど!」 胸倉掴みシェイク
「アーーーッ 困りますお客さま、キャストへのお触りは料金に含まれておりませんゆえ!」
「べ、べつにいいもん 免許が取れたことに代わりないんだから、これからわたしの運転適性を証明していけばい 「はい、没シュート」 
「アーーーーーっ」
「これは僕が預かっておくから。ちな、筆記試験パスした君なら当然知っていると思うけど、免許不携帯での運転は交通法違反…。反則金30,000マドルが課せられるうえ、その理由が不透明かつ悪質な場合は免許剥奪されるケースもありますなあ」
「返してぇ、返してよおおおお」
「こっちくんな」
「うわああん」



「それから100年後」
「3日後だよバカ!」
「エーー、どっかのヒスが毎晩泣き喚ていて煩いという苦情があったので、所長代理が対応しに来ました」
「免許返して!」
「S.T.Y.Xのバンシーがなんか喚いとる」
「ぎゃーーす」
「すでに人間止めてて草」
「免許を返しなさいイデアシュラウド!それがないと車も買えないのよ〜!」 泣きつく娘
「……これが、…おもち」
「ふへ?」
「エ ヘ デュフ、フフッ いや、な、なんでもござらんがワッフルワッフル! あーーー、ごほん。流石に免許を取り上げるのは可愛そうではないかと、オルトから苦情が入ったので拙者こんなものを用意して候」 どーん
「こ、これは…!」
「S.T.Y.X.製、自動車運転シミュレータですな
「何時の間にこんなものを…」
「ジェバンニが一晩でやってくれました。えーーー、お察しの通り。今から君はコレに乗ってもろて運転技能を採点させていただきマス。ミワ、エヴァに乗れ」
「このマシーン、エヴァっていう?」
「マジレス乙。んじゃ、ちゃっちゃと座ってもろて」
「わっわ」
「はい、スタート。もう採点はじまってるから、ハンドル離さないようにしてもろて」
「え、え、」
「判定基準は教習所の実技レベルに合わせてあるから、君が本当に升なしで免許を交付してもらえたならヌルゲーのはず。…これで、A判定とれたなら免許返してあげるよ」
「ほ、ほんと?」
「モレ、ウソつかない」
「や、やくそくよ 約束したからね!」
「ハイハイ、はよやってもろて」
「楽勝よこのくらい、わたし免許取ったんだからね!」
「ずぞぞぞ」 茶を啜る音

さっそくイキっているミワの後ろ姿を見て、イデア・シュラウドは思った。_____まあそれ、B判定が最高評価でそれ以上でないように設定しているんですけどね。プークスクス。数時間後。案の定、何も知らないミワが「なんでよぉぉお」と崩れ落ちたのを見て、全米が泣いた。





Idia.Shroud | When she's happy, she smiles like a flower

「わ、ドクペの缶こんなに…」
「全部飲み切ってるモン」
「そういう問題じゃないよ、どうして捨てないの…もう、」
「あ、不燃物捨てるならこれもヨロ」 ダンボール足蹴
「え、これ…まだキレイで、全然使えそうなんだけど…?」 ピカピカタブレット
「ああ、いやまあ(僕が作ったタブレットより)性能劣ってるんで」
「も、もったいない… これ、ヘッドセット? ノートパソコンに、これなに!?」
「コンバーター」
「ぜ、全部捨てるの?」 ごくり
「捨てる。てか、人の部屋掃除にきてゴミ漁らんでくれるか???」
「も、もったいな〜〜〜い!!」
「うっさ」
「イディが使わないならわたしが使う! これちょうだい!」
「え…別にかまわんが、CPUゴミぞ?」
「わたし、あなたみたいな使い方しなもの。動画みたり、スマフォゲームちょっとするくらいなら問題ないでしょ」
「まあ…それくらいなら、ドゾ」
「ねえ、これどうやって電源入れるの? 充電ケーブルは?」 ごそごそ
「掃除そっちのけでウケる」



「ミワ〜、はいドゾ」
「なに、これ」
「オリンポス社の最新OS内蔵タブレット、もういらんからあげゆ」
「…」
「? …なに、いつもみたいに喜ばないの」
「いや、あの…イディ、今までホイホイ貰っていたわたしも悪いのだけど、これからは受け取らないようにする」
「は? 勿体ないから寄越せって散々喚いたの君だよね」
「いやあ、そのゴメンね」
「理由」
「え」
「理由だよ、僕は聞く権利あると思うんだけど」
「ああ、理由ね。……実は、この前部屋を掃除していて思ったの。『わたしの部屋、イディのもの多くない?』って」
「はあ?」
「いや、イディがいらないっていうものを貰ってばっかりだったから当然なんだけど。最近インテリアにハマっていて、部屋の家具とか色合いとか考え始めたら…どうしても、イディから持ったパソコンとかデバイスの色が悪目立ちしちゃって」
「しょ、しょうもない理由過ぐる…」
「だから、これからはお金貯めて自分の好みにあったデバイスを買おうと思うの。イディいままでありがとうね、わたしは今日を持って、イデア・シュラウド専用廃品回収業務を凍結します…!」
「…いやまあ、いいけど。それなら普通に捨てるだけだし、」 すたこら
「ありがとうね、イディ〜!」 お見送り
「…」 スタスタ


(…本当にゴミになって草)

Tips !
汚部屋イデアシュラウド、途中からは彼女が喜ぶから良いデバイスを買ってあげていた。自分のプレゼント(なお彼女はゴミ回収と思っている)で喜ぶ彼女を見るのが、好きだった。






Idia.Shroud | So what? The genius chuckles.

「えぐえぐ、ムリよ… ムリよ、イデアさん わたし、むりいい」
「ハイハイ、無理なのはもうわかったから。嘆く暇があったら、早くここにサインしてもろていいか、泣いていてもペンくらいは持てるよね? このデジタル化の時代に、未だに申請書が紙一択とか英雄の国の行政機関は化石なんか。ほら、書いて。ここ、イデア・シュラウドの妻になる人のところに君の名前を書くんだよ」
「うわあああん」 ガチ泣き
「はあ??? 意味がわからんが、そんなに僕と結婚するのが嫌ならなんでプロポーズ受けたの。まさか僕みたいな陰キャオタクが調子乗って本気でケッコーンしたいとか言うと思ってなくて適当なこと言ったわけ。ああ、そうやって内心僕のこと馬鹿にしてあざ笑ってたんだ。草。でも残念だね、君がプロポーズ受けた時の映像はばっちり抑えてあるから、マジカルフォースに被害届を出しても取り扱って貰えないよ。むしろ君は結婚詐欺で捕まるかもね。そうしたら君の人生まじオワタ、でも僕は見捨てないであげる。君はもうね、どうあがいても僕と結婚する以外に選択肢ないんだよそのくらい解るだろ、早く諦めてサインしろ」
「だ、だって うう、イデアさん、オリンポス社の…エンジニア、って」
「嘘じゃないし」
「御曹司なんてきいてない!」
「はあ~~~~? ち、チミ チミは 本当に頭の中どうなってんの!? バカなの?死ぬの?イヤ、待って。今のはナシ、僕と幸せな冥婚ENDする前に死なれたら困る。 あのね、この世に髪が燃えている人間なんてそういないでしょ。しかもこんな自然界の法則に反したロゼアシアンブルー、ウチの家系以外ありえないから。ちょっとでも調べなかったの? 『髪、燃えてる、青』なんてどの検索エンジンで検索しても、一番上に表示されるのは『シュラウド家』ですが!?」
「す、すちゅーくすの次期所長って」
「えなに なんて? すちゅーくす? え、なにそれ可愛い…」
「きいてない!」
「ッスーーーーーー、いや、そうは言われても。うちは数年前まで、このネット監視社会でガチの秘密結社やってたわけ。まあ…ホント色々あって、今は表社会でも認知され始めたけど、その役割は神々の時代から何一つ変わっちゃいない。この世界に魔法という現象が存在する限り、S.T.Y.Xのトップはシュラウド家が務める以外に選択肢がないんだよ」
「…」
「あ、ごめん間違えた。すちゅーくすね。___すちゅーくすのトップはシュラウド家以外にありえなんだよ?」
「茶化さないで!」
「すみません」
「う、うう…」
「…あ、 あのさ。微妙に色々誤魔化して話していたことは謝るよ。だけど、ぼ、ぼくと結婚してシュラウド家に嫁げば、い、一生遊んでくらせるし。ああ、あのね、君がどんなに贅沢な暮らしをしても尽きないほどお金があるんだ。お金があれば土地も権利も思うままだし、もし家のお金に手をつけなくないなら僕個人の資産を君にあげる。権利関係の使用料金が入ってくる口座だから、毎月持っているだけで1億くらい振り込まれるから、も、持っていて損はないと、思う」
「い、いりません そんなもの」
「え、え、 そう。そっか。そうだよね、こんなの要らないよね、僕ってば本当に気が効かないしセンスもないクソゴミ陰キャオタクでごめんね。君に迷惑ばっかりかけて、本当に僕なんて生きている価値がない嗚呼もう本当にどうして僕なんか、僕が、僕はどこにもいっちゃいけないのに、でも君と君が、君がいるから、ど、どうにかして 傍に、そばにいたかったんだ の、望んじゃいけなかったのに、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「イデアさんと結婚できない」
「    ア゜ 」
「嫁げない、だってあなたの子どもなんて産めません」
「 ア、 ギ    ギギギ  、 イ゙」
「わ、わたしは頭も良くなくて。特別な家に生まれたわけでも、魔法士でもないのに。…立派なお役目を果たしているあなたの、あなたの家に相応しい子どもを、産める自信がないの」
「………」
「だから、結婚できない。どうかわたしのような凡人じゃなくて、もっと家柄も能力もシュラウド家に相応しい女性を見つけてください。わ、わたし、あなたが幸せになってくれることを祈っています。不相応だと解っているけど、それを思い続けるのは、ゆ、許して…」
「……………………………」
「…? イデア、さん」
「…」 フリーズイデア
「? い、イデアさん イデアさん!」
「___ハッ すまそ、色々とキャパオーバーで拙者のOSフリーズしておりました というか、ちょっと待って。え、待って。待って。待って。」 がしっ
「きゃ」
「あの、あのさ、い いまの拙者の妄想? いや、ぼ ぼぼくが都合よく解釈してるだけか。だとしたら、今の君の言葉を、再生してイチから再分析するから教えてほしいんだけど。 いや、あの あの、 それってつまり、シュラウドじゃない、た、ただのイデアとなら け、結婚してもイイ…って、コト?」
「? ??」
「いやクエスチョンマークで濁すな! 大事なことだから、ちゃんと こ、答えて」
「は、…はい」 こくん
「そ そそそ それは、イエスってこと? 勿論、結婚していいってイエス?」
「うん」
「は、 はわわ」 髪ぼっぼ
「…で、でもやっぱりムリよ! あなたみたいな天才の、才能に溢れた子、わたしなんか きゃ」
「むふ ふふ あは」 ぎゅうううう
「く、くる しい… イデア、さん」
「あは、ミィ〜 拙者の可愛くて、可哀そうなお嫁さん。 ふふ、チミは致命的な勘違いをひとつしているでござるなあ」
「…?」




「『僕が生きている限り、僕以上の天才なんて存在し(ありえ)ない』」
「…」
「『だから、安心して嫁いでおいで』…か、なるほど」
「…あの、所長さん」
「君はもうシュラウド家の一員なのから、そんな他人行儀な呼び方ではなく『義父さん』と呼んで欲しい」
「お、おとうさん…?」
「うん、なにかなミワさん」
「…シュラウドのお家としては、本当に良かったんでしょうか。温かく向かい入れていただいて恐縮なのですが、やはりわたしのような凡人は…」
「ああ、どうか、そう自分を卑下に扱わないでほしい。君はわたしの息子が選んだたったひとりの女性だ、そして、わたしはその判断をした息子は間違っていないし、彼を誇りに思っている。…君は、正しくシュラウド家が待ち望んだ輝ける星だ」
「う、うう」 てれてれ
「だが、君が自分を過小評価してしまう気持ちはわかなくもない。…偉大なる天才の隣という場所では、常に自分が如何に凡庸で無力な存在であるかを突き付けられる。それを上回る幸福に抱かれても、心の奥底では何時もその考えが付き纏ってしまう…わたしは、本当に彼女(彼)に相応しい存在であるのかと」
「……」
「いつか大丈夫だと思える日がくる、と言ってあげることはできない。事実、わたしは今もなおその呪いが解けずにいるのだから。けれど、時間と流れは確実に君の気持ちを変えてくれるだろう。そしてわたしは、それがミワさんにとっても、イデアにとっても、良い変化となるように精一杯努めよう」
「お義父さん…」
「まあ、暫くはそんなことを考える暇もないだろうけれど」
「え?   「_____ミワ!!」 「パパ!!」 部屋に突撃してきたシュラウド母息子

「え、い、イデアさん」
「どうしたんだい、母さん」
「あ、父さんも一緒だったんだ。ちょうどいいや一緒に聞いてよ。もぉ〜〜〜うちの娘が天才過ぎて草生えるんだが」
「もう本当にびっくりしちゃった! イデくんもすごかったけど、うちの孫娘ちゃんはそれ以上よっ。まさかこの歳で、ママがイデ君用に考えた思考パズルを一瞬で解いちゃうんなんて!」
「あうあう」 きゃっきゃ
「あ、いた。 もう、兄さん! 母さん! まだ小さい子を抱えてそんな走っちゃダメだよ、この小さな頭に詰まった宇宙(脳)にダメージがあったらどうするのさ」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「おゆと おゆと」
「はいはい、叔父さんのところにおいでえ。ママのところにいこうね はいどうぞ、ミワさん」 
「あ、ありがとうオルトくん」
「うん、どうしたしまして! 兄さんと母さんには、僕がしっかり言い聞かせておくから任せてよ さあ二人ともそこに座って、今日と言う今日は許さないから!」

「……」
「これからもっと大変になる、育児と言うのはそういうものだ」
「まあ あー」
「…はい、そうですね」 娘をぎゅう
「うう〜! おじ、 おじ〜」
「ああ、おじいちゃんもここにいるよ。みんなで一緒に、ひとつずつ叶えていこう」


Tips !
オリンポス社インターン中に好きになった女性に、実家や仕事のことをぼやかして交際同棲しプロポーズまで漕ぎつけたイデアと一波乱あったはなし。天才の遺伝子は、呪いより強し。


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