探偵 | ナノ

松田陣平




- 松田陣平only -


松田陣平 | バラし屋のじんぺいくん

「じんくん、みてみて!」
「うっせぇな、なんだよ」
「えへへ たんじょうびにねたまごっちもらったの」 じゃーん
「ンだ、このちっけえの。ポケベル?」
「ちがうよ、たまごっち。これをこうしてね、ほらピコピコかわいいの」 ぽちぽち
「ふーん、なあおれにもかして」
「いいよお」

〜数十分後〜

「うわあああああん、ままあ ままあ!」
「あら、どうしたのゆき」
「じんくんがたまごっちこわしたああ」 分解された憐れなたまごっち
「おっと」 予想外の壊され方にびびる朝倉母
「陣平!!!」 ブチギレ松田母
「かしてっていった!おれはわるくねえ!」


(小学生)



「ゆき、お前まだ自転車乗れねぇの」 自転車爆走少年松田
「の、乗れるよお」
「嘘つけ、補助輪ついたままじゃねえか」
「だって、このちっちゃい補助輪(の)外し方わかんない…」
「おれが外してやろうか?」 マイスパナ
「え、やだ。だって陣くん、全部バラバラにしちゃうんだもん」
「バラさないと外せねぇだろ、ちゃんと元にもどすって」
「…ホント?」
「ホント」
「うう…」
「だあ〜! 何時までもウダウダしやがって、外すか外さねぇのかハッキリしやがれ!」
「も、ど、どならないでぇ わかった、外して でもちゃんと元にもどしてね、バラバラのままじゃイヤだよ」
「わあってる わあってる」 〜♪

~数十分後~

「うわあああああん、ままあ ままあ!」
「あら、どうしたのゆき」
「じんくんが じんくんがわたしの自転車こわしたああ」 キレイに分解され並べられた憐れな自転車(元)
「おおっと、腕を上げたわね…陣平くん」 一周回って感心する朝倉母
「陣平!!!」 ブチギレ松田母
「やって良いって言ったのはゆきだぜ!オレは悪くねえ!」


(中学生)



「陣くん…、あのねウォークマン動かなくなっちゃって」
「ホォ〜、そりゃご愁傷様でぇござんしたね」
「あの、直せるかみてほしいんだけど」 もじもじ
「ぜってぇヤダ」 きっぱり
「じ、じんく〜ん」
「ヤダね、絶対みてやんねぇ。どーせ俺が分解したら、『こわした!』『じんくんがこわした!』って、まあたピーピー泣いて誰かに告げ口すんだろ」
「しないよ、わたしがお願いしたんだもん」
「お前にお願いされてやったのにお袋にぶん殴られた記憶がばっちり残ってンだよ、こっちは」
「だ、だってあれば陣くんが」 きりっ
「あ゛? なあに言い訳してんだオメェ」 ブチギレ寸前
「うう〜、お、お願いお願い! 新しいウォークマン買うお小遣いもないの。もし直せなさそうだったら諦めるから、ね? ね?」
「俺はお手軽修理屋さんじゃねぇっての」 すたこら
「陣く〜ん!」
「あーあーあー聞こえねぇ 聞こえねぇ」


Tips !
幼馴染な彼女とバラし屋の松田陣平くんシリーズ




松田陣平 | 思春期

「おい」
「わたしオイって名前じゃない」
「ゆき」
「なに、陣くん」
「お前、その呼び方やめろ」
「えー…、じゃあなんて呼ぼう ぺーくん?」
「普通に松田って呼べばいいだろ、頭パー子」
「じゃあ、わたしのことは朝倉さん、って呼んでね」
「ンでだよ」 理不尽ぺーくん





松田陣平 | 自分で食べてよね

ぴんぽーん

「はいはい、あらゆきちゃん! いらっしゃい」 萩原ママ
「こんにちは、あの、これ…」 ラップされたお皿一杯のサンドイッチ
「いつもご苦労様、陣平くんならウチの息子と一緒に工場の方にいると思うわ」
「陣くんママが、萩原くんも一緒にって」
「あらラッキー、お昼ご飯作る手間が省けちゃった。でもいまちょっと手が離せなくて、…ゆきちゃん。悪いんだけど、二人に届けてもらっても良いかな」
「解りました、何時ものところですよね」
「うん、あとで飲み物持っていくから。よろしくね」
「はい」

萩原自動車工場 すたこら

「あ、ゆきちゃん〜!」
「おじゃましてます、萩原くん」
「いらっしゃい、もしかして俺たちのごはん届けてくれた感じ? 嬉しいなあ〜!」 ぱたぱた
「陣くんママがサンドイッチいっぱい作ってくれたよ、飲み物は萩原くんママが後で届けてくれるって」
「オッケー了解。陣平ちゃ〜ん、お前のかわいい幼馴染がお昼届けにきてくれたって。一旦、手止めてメシにしようぜ」
「オーー…」 もくもく作業中の陣平ちゃん
「…あー、こりゃしばらく動きそうにねぇな。ごめんねゆきちゃん、折角こんな油くせぇところまで来てくれたのに」
「何時ものことだから気にしないで。萩原くんも食べるの後にする?」
「んなわけないじゃん、ゆきちゃんがオレたちを思って急いで届けてくれたんだから直ぐに食べるよ。皿重いだろ、すぐ手ぇ洗ってくるから待っててね」 駆け足
「うん、ありがとうー…」 ちらり
「…」 何やら大きな機械をひたすら弄っている松田
「陣くん、ご飯」
「…」
「陣くん」
「うっせぇな、聞こえてる。いま手ぇ放せねぇんだよ」
「それなに?」
「ゆきにはわかんねぇもん」
「むう、すぐにそうやって説明めんどくさがる」
「だってお前わかんねぇだろ、別に興味もねぇくせに邪魔すんな」
「萩原くんは教えてくれるよ、わたしでも解るように優しく」
「あんでここでハギが出てくんだよ、アイツと比べんじゃねぇ」
「はあ…、萩原くんの十分の一でもいいから、陣くんに思いやりがあればなあ」
「…」 無視
「陣くんママに頼まれて、わざわざサンドイッチ届けにきたのに」
「…」 無視
「わたし、見たいドラマの再放送あったの、我慢して、来てあげたのになあ〜」 大声
「だあああ〜〜〜 わあったって、食えばいいんだろ!食えば!」
「そうそう、最初からそう言ってくれればわたしも気分がいいの。 ほら、早く手を洗ってきて」
「ヤダ、どうせまた汚れんンだから二度手間だろ」
「じゃあ、その油と煤塗れの手でサンドイッチ食べるの?」
「お前が食わせろ」
「何様」 真顔
「ほらあくしろ、ア!」
「何様」 真顔二度目
「ああ゛!? オメェが食えって言ったんだろうが!」 ブチギレ
「…はあ、 (ぺりぺり)  どれにしようかなあ〜」
「肉挟まってるやつ」
「注文多いなあ、はいじゃあこれ」
「ア」
「…」 大きく開けられた松田のお口にサンドイッチを運ぶ
「ん」 もぐもぐ
「…」
「うめえ」
「陣くんママ、お料理ほんとうに上手だよね」
「まあオメェよりはな」 もくもぐ
「は?」 微キレ
「ア」 
「…」 二口で消えるサンドイッチ
「…」 もぐもぐしながら視線も寄越さず作業を続ける松田
「え、なにそのシステム知らないオレもやって」 手洗いついでに飲み物を持ってきてくれた気が効く萩原くん
「テメェで食え。おい、つぎタマゴのやつ」
(…小鳥にエサをせがまれる親鳥って、こんな虚無みたいな気持ちなのかな…) 無心
「ゆきちゃんオレも。オレもやって、ゆきちゃんゆきちゃんゆきちゃん!」 必死篠原
「うっせぇ!!」





松田陣平 | 変らぬものなんてありはしない

「ア」 お口指でびろん
「…あ、本当に抜けてる」
「だから言ったろ」
「マウスピースしてなかったの」
「してても、折れる時は折れんだよ」
「十代で永久歯を失うなんて…。おじいちゃんになる前に全部差し歯になっちゃうかもね」
「うっせ」





松田陣平 | 切っても切れないものでしょう

「陣くん、手かして」
「ヤダ」
「はい、ここ置いて。動かしちゃダメだよ」 ぐぐぐ
「俺の意志関係ねぇじゃねえか!」 といいつつ腕を置かせてくれる平
「うーん」 ぺたぺた
「俺の腕の上で裁縫すんな」
「しないよ」
「じゃあンだよこれ」
「ミサンガ、いま流行ってるの」
「へー」 興味なし
「今度の体育祭の時、クラス皆でお揃いにすることになったんだけど。デザインどうしようかって…、ねえ男の子はこっちと、こっちの柄だと…どっちが好き?」
「どっちも好きじゃねぇ」
「陣くんの好みじゃなくて!」
「文句いうなら俺に聞くんじゃねぇ! ンなもん、知るわけねぇーだろ!」
「もう…、じゃあ この色とこの色なら?」
「どっちも嫌ェだ」 不機嫌松田
「も〜〜〜〜!」 ぷんぷん

「はあ、もういい。明日全部持っていって、クラスの子にきくから」
「オーオー、どうもお役に立てず申し訳ごぜぇませんねえ」
「思ってもないくせに…絶対、陣くんのクラスには負けなんだから」 もそもそ
「ん? ゆき、なにして」
「はい、これ手伝ってくれたお駄賃にあげる」 きゅっと結ばれたミサンガ
「… は?」
「じゃあ、わたし行くから。バイバイ」
「待て、テメェおい! こんなの(機械いじりの時)ジャマになるだろうが!」
「自然にキレると願い事が叶うんだって」
「しらねぇ!いらねぇ!」
「じゃあ、ハサミでちょんって切ればいいよ。わたしはいっ〜〜〜〜つも機械弄ってる陣くんとは違って忙しいの、じゃあねえ」 すたこら
「ゆき〜〜〜!!」




「___なるほどね。で、切らないの?」 事情を聴いた萩原
「ああ゛?」 機嫌の悪い松田
「はいはい、だよね。聞いた俺が馬鹿だったよ、かわいい女の子からのプレゼントをハサミで切るなんて男のすることじゃねぇもんな〜」
「ちげぇ、別に俺は!」
「はいはい、本当に陣平ちゃんはゆきちゃんのこと大好きなんだから」

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