『何様俺様跡部様〜』
「…なんだその下手くそな歌は」
『げ』
「どうやら制裁が必要らしいな」
俺様が生徒会の仕事を終えて廊下を歩いていたら、呑気なみょうじは訳も分からない歌を歌っているわ、俺様を見て嫌そうな顔をするわ…本当に変わった奴だ。
「明日の放課後のメニューはお前が作れ」
『え、無理です』
「ちなみにレギュラー用のもな」
『聞けよコノヤロー』
「1週間に増やすぞ」
『明日だけがんばりまーす』
少し、コイツの考えを知りたくなった。
ー
ーーー
ーーーーー
『跡部部長』
「あーん? なんだ出来たのか?」
『微妙です』
「素直だな…。見せてみろ」
次の日の朝練に俺の目の前に現れたみょうじは若干やつれ顔。無理させてしまったか。
だが、メニューの内容を見れば正直…驚きを隠せなかった。
「お前…、一人一人のメニューを考えていたのか?」
『? そーゆー意味じゃなかったんですか?』
「誰が個人メニューだなんて言った?」
『……跡部部ちょ、いでっ』
「そりゃあ200人のメニューを考えていたら寝不足になるわけだ」
俺の言葉にピクリを反応を示すみょうじ。俺様のインサイトをなめんなよ。
頭を撫でてやれば案外コイツは小さかった。
『う、わっ』
「上出来だ。ほらよ」
『、なんですかこの鍵』
「生徒会室のだ。今日はそこで存分に休んでろ」
え、と戸惑いながらも嬉しそうなみょうじ。どうやら誉めてもらえるとは思ってなかったらしい。
俺様によってぐしゃぐしゃになった髪の毛のまま、笑顔で生徒会室に向かったアイツは華和依子とは違った感じがした。
部長と平マネ
『んむっ……い、いだーっ!!』
「誰も放課後まで寝てろなんて言ってねーだろーが!」
少し見直した俺様が馬鹿だった。
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