全部言い終えた後、凄く泣きたい衝動が駆け巡ったが、なんとか堪える

そんな時、頭に滝の手がポンポンと優しく叩いてくれて…涙腺が緩んで泣きそうになった



『っ……』

「っ蜜柑!!」

『いっ…た!』



後ろからの衝撃があたしを襲う。あれ、これ何回目?



「ごめん!ほんとにごめん!俺、仁王にちゅーされてる蜜柑が嫌だった…!」

『…は?』

「ガックンの言う通りだC…蜜柑が仁王にちゅーされて真っ赤になってるのを見て……凄くヤだったんだC‥」

『え、ちょっと待って。話が掴めない』

「俺たち…嫉妬、してたんや」

『……』



ごめん、忍足。シリアスな雰囲気醸し出しているけど…あたし全く意味分かんねーんだけど



『…あ、そうか。分かった分かった。ごめん、みんななんだかんだ言ってさ、仁王が好きだったんだ』

全「は?」

『そりゃあそうだよ、一緒にテニスをやって来た仲だしね…だからこのあたしが気に入らなかった訳か。それなら昨日の内に聞けば良かったな』

「オイ、蜜柑…何言ってやがる」

『大丈夫。ホモップルなら四天宝寺にいるし』

「や、そういう事じゃなくて…」

「あははっ、椎葉ってやっぱ面白いや」

『あたしは至って真面目な発言ですが。あ、そういえばさ…滝あの時名前で呼んだよね?』

「え?そうだった?」

『うん、別に名前で良いよ。萩』



名前は長いから短縮させてもらうよ



「!…ならそうさせて貰うよ蜜柑」

「ななな、何で滝が名前で…!」

「見苦しいよ忍足」

「…蜜柑」

『ん、なに亮?』

「俺は…俺たちはお前を嫌ってると言ったが……それはありえねーからな!」

『!!』

「蜜柑先輩」

『わっ、長太郎?』



亮の言葉に驚いていたら後ろから今度は長太郎に抱きしめられた



「俺たちは蜜柑先輩が大好きです」

『…ありがと』



色々とごちゃごちゃした日になったけど、これはこれで良かった……かな


後日

《跡部か?》

「仁王か、わざわざ俺様に電話など…何か用か?」

《おい、跡部お前さん椎葉ちゃんに何言ったんじゃ?》

「は?」

《ホモップルなら四天宝寺にもいるから大丈夫ってメールが来たんじゃが》

「……すまねえ」






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