『…てかさ、あたしが結局悪いんじゃないの?別にみんなが謝る必要ないし』



それにあたし気にしてないから。消毒をしてくれている滝を見ながらと付け足した



「…本当に悪かった」

『だから気にしてないって何回言わせたら気ぃすむんだっつーの』

「俺たちを…嫌いになっていませんか?」

『嫌いだったらわざわざ話聞いてないよ』

「じゃあ…怒ってない、の?」

『怒ってたら追い出すしね。つーかさ、さっきからしつこい。あたしは怒ってもないし嫌いになったわけでもないって言ってんでしょ』

「……ならさ










なんでこっち向いてくれへんのん…?」



今のあたしは跡部達に背を向けたまま滝に手当てをしてもらっているのだ



『……だって滝の手当て見てなきゃ心配だし』

「それは心外だなあ」



保健室に1人だけ笑っている滝。やだな、滝にバレた



「ほんっとウチの部は不器用な人間ばっかだよ」



それはあたしに向けて言ってるんだろうな、と直ぐに分かった。ごめんなさいね、不器用な人間で



「たまには素直打ち明けても良いんじゃない?ね、椎葉」

『……』



素直に、か…



『…昨日の帰り、空気が重い理由が分からなかった。けど聞くのも面倒だし放って置いた』

『明日になったら大丈夫だろうと思ってた。けど…今日学校に行く時1人だった』

『んで‥挨拶してくれたのはこの中で滝と樺地だけ』

『そん時思った。ああ…避けられてるって、嫌われたんだって』

『校内で噂は広まったし、ファンクラブには目を付けられるし』

『昼休みは何となく屋上に行くのに気が引けて…呼び出しに行こうと思って授業はサボった』

『ファンクラブはみんなを大切にしているからあたしに恨みがあったのを知ってる。でも今回はあたしのせいでの噂だし、事実だから、ファンクラブは悪くない。それにファンクラブだって怒るに決まってんじゃん。だから制裁を受けて、そして滝があたしを見つけた』

『滝に説明するのが面倒だし、保健室に逃げようとしたらみんなが来て……あの時、ジローの声を聞いた時…な、きそう‥になった』



ただ、それだけなんだ…







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