滝side

「なんだ、俺が最後…じゃないか。椎葉いないし」



少し授業が延び、遅れて屋上に来てみればいつものメンバーには1人足りなかった



「滝…お前蜜柑と話していたよな」

「うん、そうだけど?」

「蜜柑…何か言ってたか?」



珍しく不安げな跡部達、そんな心配ならお前等は椎葉に何したんだ



「言ってたよ」

「何て…言ってたの?」

「それを俺がみんなに言う必要ある?」



ごめん。みんなにはこんな言い方で悪いと思う…でも、みんなは椎葉の朝練の時の表情知らないだろう?



「っ…でも、知りてえんだ」

「本人に聞いたら?俺は何があったか知らないし」

「滝っ、テメェ…!」

「落ち着き宍戸。滝の言うことは正しいわ」

「でもよ…!」



そんなに必死になるなら何で蜜柑にあんな態度とるんだよ



「でもさ、椎葉を一方的に避けているみんなは最低だ…とは分かるかな」



多分今の俺は見た目は落ち着いているように見えるだろうな。けど心中穏やかじゃないんだよ



「今すぐ全員に殴ってやりたいぐらいだ」

全「!!」



ここまで言わないと分からない訳ないだろう?



「椎葉は自分でまだ気づいてないみたいだけど……椎葉は傷ついているよ。なのにまだ…分からないの?」

全「っ!」



ああ、つくづく甘いなあ俺。結局全部言ってしまった…でもこれで良くなったらそれで良いか



「蜜柑に…謝らなきゃ」

「分かってるなら早く行った方が良いんじゃない?それに…広まってるよ、レギュラーが椎葉を避けてる。椎葉はテニス部に嫌われたってね」

全「!!」

「だから早く……っ、待って。何か聞こえない?」



甲高い声が聞こえる。何処なんだろう、こういう類いは嫌な予感しかしない

屋上のドアに集まっていたみんなを止め、俺は声を頼りに辺りを捜す



「…多分ここら辺だ、っ!?蜜柑!!



やな予感は当たってしまった







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