忍足side

蜜柑!!



滝の声が屋上…だけやない、氷帝中に響いたやろう

そして俺だけやない、その場全員が冷や汗が流れた



「何突っ立ってんだよ!早く行かないと椎葉が!!」



未だに固まっていた俺たちを滝の怒声がまた響く。ちゃうやろ俺、何固まってんのや‥そんな場合ちゃうやろ、俺たちのせいで蜜柑を傷つけたんや…!自分に腹を立ちながらも先頭を走る滝の後を追った



「ホンマ…俺、最悪や」



蜜柑…無事でおってくれ…!



忍足side終


ーーー
ーーーーー



蜜柑!!

『た、き…っ』



何処からかな、滝に初めて名前で呼ばれたや。なんて呑気な思考が巡る



「ヤバッ…!」

「早く行かないと!」

『ゲホッ、逃げるなら…此処の窓から逃げな。開けてあるから』

全「!!」
「な、何で知ってるのよ!?」

『予想内なんだよ。だから早く逃げたら?……アイツ等に嫌われたくないんでしょ…?』

「っ!!」

「…早く逃げよ!」

「……」

『早く逃げろっつーの。あたしはアンタ等をチクるような事はしないから』

「…っ」

「早く行くよ!」

「…分かった」



今回はあたしが悪いのだからあの人達を攻める事は出来ない。それに、彼女たちの気持ちも限界だったのだと思うしね



『あー…痛っ』



でも…体は痛いとは感じない。痛いのは







心かな


『早く、あたしも逃げよ…』

「椎葉に…何かあったら俺は、本気でお前達を許さない…!」

「(っ、蜜柑…!)」







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