「ダメダメ!蜜柑は俺たちがいねーと生きてけねーんだC!」

『あたしいつからテニス部に世話になったんだよ』

「こんな厄介者は俺らしか扱えへんからなあ」

『心閉ざすお前の方が厄介者んだよ』

「それに蜜柑先輩はドリンクしか作れませんから!」

『長太郎…自分必死で言うのも何だけどさ、それ貶してるようにしか思えねーんだけど』

「他の料理なんて悲惨ですからね」

『若は完璧に貶してるー』

「ついでに馬鹿だしな!」

『だから岳人だって馬鹿だろーが!』

「後、女じゃねーし」

『亮さ、悪気って言葉知ってる?』

「でも…‥蜜柑、先輩‥は…優し、い…です」

『樺地今度一緒に遊ぼう。あたし奢るから』



樺地だけだ!あたしを誉めてくれる人は!!心無しか樺地が仏様に見えるよ(他はミジンコ…なんて言えないけど、視界に入れない)



「そっか、残念だな」

『幸村聞いてた?あたし樺地以外貶されてたんだけど』

「そう?俺にはみんなに愛されてるなあと思ったんだけど」

『どっからどう見てそう思えたの』



すっげーポジティブ精神だね。と付け足せば、笑って返された。その笑顔は素敵だけどさ、笑顔の意味を教えろよ



「とにかく、蜜柑は氷帝以外ありえねえ話だ」

『無理やりまとめやがった』



跡部が結局無理やりまとめやがったおかげで最後にまた立海に別れを告げ、帰ろうとした時だった



「椎葉ちゃん」

『ん?』

「今日のドリンク美味かったぜよ」

『おー、ありが……』



最後までお礼を言えず、思考がストップした。周りは何やら騒がしい。ちょっと待って、ほっぺに何が当たった?



『っ…に、おう?』

「おーお、お前さんかわええのぅ。何じゃ?普段は男らしさ全開なのに、ほっぺにキスされただけで顔、真っ赤じゃよ?…ギャップが激しいのぅ」

『……マジで仁王いっぺん殴らせろ!』

「おーお、真っ赤で言われてもちーっとも怖くないぜよ」

『っ、触んなボケ!』



確信を突かれて何も言い返せない。そんなあたしに構わずあたしを抱きしめて来るコイツを殴って良いかな、良いよね!!…だがそんな必要は無くなった。神はあたしを味方した。仁王の背後にいる黒いオーラを纏っている人間…もとい幸村がいたからだ



「仁王、ちょっと来ようか」

「げっ…」

『立海の恥さらしにきっついお仕置きをよろしく3強』

「了解」

「うむ、当たり前だ!」

「了解した」

「じゃあな氷帝」

「またお会いしましょう」

「ジロ君また試合しような!」

「絶対負けないっスよ!」

『またねー』



最後は幸村が仁王を引きずるのを見て立海を去った。畜生…まだ顔に熱が篭もった感じがしてなんか悔しいな。

そして何故か帰りの空気はものすごく重かったのはあたしの気のせいだろうか


全「……」

『(空気重ーっ…何でかなんて聞くのも何か面倒だし、いっか)』






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