パコーン、パコーン

『……暇だなあ』



練習試合に堂々と遅刻した分際で暇だとは何とも偉そうな発言だが、別に周りには聞こえていないし気にはしない。逆に忙しかったらそれはそれで嫌だが



『あー、暑いなあ』



日差しが直に当たるテニスコートは紫外線がバンバン当たるのが肌に感じるが日焼け止めを塗らないあたしは本当に女捨ててる



『大人になったらシミだらけかなー』

「さっきからお前さんは何言うちょるん?」



どこかしらの方言混じりの男…仁王が日陰の場所からあたしに声をかけた。仁王陰見つけるの上手いね、そんな所に陰あったんだ



『えー、日焼け止め塗らない地点であたしは女捨ててるなあ。と』

「確かにのう」

『間髪入れず答えるな』

「椎葉ちゃんは肌白いから勿体ないぜよ」

『それ忍足にも言われたー。つか仁王の方が白いから』



人に肌白いなんて言える人間じゃねえだろお前とツッコミを入れれば仁王は苦笑



「忍足と同じとは心外じゃのう…それに俺は日は苦手なんよ」

『なら何故テニス部に入ったんだ』

「今日の椎葉ちゃんはツッコミが冴えるのぅ」

『誰だせいだ誰の…柳生ーこの色白ならここにいる』

「げ…」



柳生がキョロキョロをしているのは大抵仁王絡みだから呼んでみたが、予感は的中だった



「ありがとうございます椎葉さん。仁王くん貴方はいつもいつも……」

「うげ…柳生の説教は勘弁ぜよ」

『サボる仁王が悪い』

「そうですよ仁王くん。椎葉さんのおかげで助かりました、本当にありがとうございます」

『全然いいよー。早く行かないと真田の裏拳喰らうだろうし』

「それはイヤなり」

「なら早く行きますよ、では失礼します椎葉さん」

『おう、がんばれ柳生』

「椎葉ちゃん俺には応援してくれないんか?」

『はいはいがんば仁王ー』

「…冷たいナリ」

「行きますよ仁王くん」



遠目で見れば我が儘な子ども(仁王)としっかり者のお母さん(柳生)が一緒にお買い物に行ってますよー。的な感じに見える。ちょっと可愛いな



そんな光景を微笑ましく見ていたら拳骨を喰らうのも直ぐだった







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