『樺地はもう食べないの?』

「ウス」

『ふーん、じゃあちょっとあたしの話を聞くのに付き合って』

「ウス」

『ここのケーキってスッゴく美味くて、1年ぶりだからな…余計に美味しくかんじるんだよなあ』

「そう‥ですね」

『んで1年前に食べたケーキもあれば新作のケーキもあって美味しいの!』

「良かった…です、ね」



今度は樺地と話している蜜柑をまたもや凝視するレギュラーたちに樺地はも蜜柑も気づかない



『新作のケーキはやっぱ美味いんだけどさーあたし的にはこれがいっちばん好き』

「!!」

『これ、樺地が作ったでしょ』

「ど、うして…」

『んー…よく分かんね!けどこの味1年前にも食べた味そのものですっげー感動したから…そんなの作れんのは樺地だけっしょ』

「蜜柑‥先輩」

『だからわざわざ作ってくれてありがと』

「う…ウス!」



「クソクソ!樺地が一番良いとこどりじゃねーか!!」

「俺様にはあんな言葉贈らねえくせに…!」

「マジ樺地ずりぃC!」

「先輩ら声が大きすぎます」

「で、でもさ日吉!日吉は悔しくないの!?」

「…別に」

「つーかみんなして盗み聞きとか激ダサだな」

「宍戸もその一人だけどね」

「人の首を掴んで連れて来た奴の言葉じゃねえよな」



宍戸の首には誰かが掴んだ赤い跡



「でも今は掴んでないし…それに結局は宍戸だって聞きたかったんだろ?」

「…ぐっ」

「素直じゃないなあ」



ふふ、と笑う滝には叶わねえと宍戸が心から思った瞬間だった







[ 54/72 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -