ピンポーン

『……』

ピンポーン

『……』

ピンポピンポピン…『うっさい!!』

「おっす」

『…へ?』



玄関のドアを開けば赤髪のおかっぱ頭がいた



「迎えに来たぜ」

『いやいや頼んでないし』

「つーかまだ着替えてねーのかよ、それになんだよその服」

『兄貴に貰ったお古を馬鹿にすんな。だって今起きたし…ってあたし岳人に家教えたっけ?』

「お邪魔しまーす」

『話聞こうか』



結局岳人を家の中に入れてしまった。別にこれといって駄目とかはないが



「へぇー…面倒くさがりのくせには意外に部屋は綺麗じゃん」

『岳人の部屋は汚そうだけどね』

「くそくそ蜜柑、そんな事ねーよ!」

『はいはい、あたし着替えて来るねー』

「おうっ!あ、蜜柑ーこれ食っても良いか?」

『…おうっ』



岳人は直ぐ人の家に慣れる人なんだろう。今日初めてあたしん家にあがったくせに普通にくつろいでいる。テレビのニュースを見て笑ってるし



『お待たせ』

「ホントだぜ」



これでもあたしなりにマッハで着替えたつもりなんだけどーという意味を込めて睨んでいたが全く気づかない岳人はお菓子をあるだけ口に詰め込んで行くぞと足を運んだ
ちゃんと喋れてないしお菓子がなくなったよ(結構好きなお菓子だったのに)



『…自転車で行くの?』

「じゃねーと間に合わねーし」

『…ははっ、ちょっと待って自転車持って来るよ』

「あーいいよ持って来なくて早く後ろに乗れよ」

『うわー優しー岳人くん』

「やっぱ俺後ろな」

『何でだよ』



急いで家の鍵を閉めて岳人の自転車の荷台に乗る。実は2ケツは初めての体験だったり



『しゅっぱーつ!』

「しっかり掴まってろよ!」

『おうっ』



しっかりと荷台を掴み、自転車というものは楽だなあと感心しながら風をあびていた



「(つーか何で荷台に掴まるんだよ…!)」



まさか岳人が内心そんな事を考えていたとは思わなかった







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