ー ーーー ーーーーー 「あの照れてお礼を言った時の蜜柑はレアだったな」 「俺それ知んねーし」 「大丈夫だよ宍戸、俺なんかコートで待機だったんだから」 「…なんかわりぃ」 「あれぐらい普段から素直になってほしいですよ」 「でもさ、あの時の蜜柑先輩可愛かったよ」 「蜜柑は俗に言うツンデレやな。でも確かに可愛いかったわ」 「つーかあの後の蜜柑の行動には驚いたぜ」 「まさかまた西苑寺さんに喧嘩ふっかけたもんですね」 「"やられたらやり返す"…椎葉先輩らしい」 「でも正直な所椎葉が西苑寺さんに何をしたのか知らないんだよね。跡部は知ってるの?」 「アーン?アイツ…未だに俺にも何も言いやがらねえ」 そう、誰もがその後の蜜柑の行動を知らないのだ 『殴り合い』 「は…!?」 急に高いトーンが響き、振り向けば山ほどにケーキを積んだ蜜柑と岳人、ジローの姿 「い、いつの間に…!?」 『んー?滝が「でも正直ー…」ぐらいから』 「で…殴り合いって……」 『うん、殴り合い。だから跡部言ったじゃん喧嘩しただけだって』 だいたいやられて終わるとかあたしのプライドが許さないし、とか1人で語っていたらみんなして固まる。つーかよく固まるなコイツ等 『あ…でも、殴るっつーよりは一方的な脅迫かも』 「脅迫!?」 『うん。今後テニス部に迷惑かけるような行為したらテメェ等の盗撮行為を警察に送り届けてやるかんな、って盗撮行為をしているシーンを撮している写真を見せて、二度と盗撮ができないようにホースで西苑寺たちに水をぶっかけてカメラをぶっ壊した…ぐらい』 全「……」 絶句してなにも言えない彼らを無視して続ける 『最後に西苑寺の顔スレスレに拳を突き出したら泣いて逃げて行って…それから何も無くなって平凡に…って平凡でもねーか』 「お前、やり返すにしてはやりすぎじゃねえか?」 全員が首を縦に振る。そんな彼らに笑って一言 『やられたら3倍でやり返す』 そう吐き捨て山盛りのケーキをむさぼり尽くす蜜柑に何も叶わない気がした 「そりゃ西苑寺たちが何もしねー訳だ」 「見た目はかわええのに…中身とギャップありすぎやわ」 『お、これ美味っ』 全「…はあ」 next [mokuji] [しおりを挟む] |