「おはよう蜜柑ちゃん」

『あ、おはよ光子』



光子はあたしにマネージャー試験を受けさせた本人。あれから仲が良くなり、今ではお互い名前呼び



「今日は遅刻しなかったね」

『朝練には出れなかったけど』

「それはいつもでしょ」

『そりゃそうだ』



そんな会話をしながらげた箱を開けた瞬間、悪臭がした



『……』

「どうし…っ!!」

『大丈夫光子?』



中にはあたしが履いていた上履きの上にネズミの死骸が何匹も入っていた



「蜜柑ちゃ…」

『朝から気持ち悪い思いさせてごめん。職員室でスリッパでも借りてくるわ』

「あたしは大丈夫、でもこれって…」

『後で処理すっから平気平気、行こ?』

「…うん」



光子にはついてこなくても良いと言ったが離れたくないと返され、一緒に職員室で上履きを借り、教室へ入った。その時みんなしてあたしを見るから不思議だった



「…何あれ」



そして光子の言葉に反応したあたしは光子が向けている方向…つまり黒板に目を向けた



『"椎葉蜜柑はレギュラーを盗撮している!!"…か』

「誰!!こんな事書いた人!?」



冷めたあたしと反対に激怒している光子にクラスは次々と返す



「あたし達が来てた時にはもう…」

「しかも俺たちのクラスだけじゃねえ、他のクラスもだったぜ…」

「椎葉…お前はそんな奴じゃねーよな?」



冷たい目、心配する目、自分は関係ないとあたしから逸らす目、そして密かに笑っている目…人は様々だ



『(大方、あの笑っているグループなんだろな)』



未だに他人事のように立ち止まっていたら廊下からザワザワと声がする。案の定、その原因はテニス部レギュラーだった



「まだこのクラス消してなかったのかよ!!つーか誰だ!こんな事書……」

『おっす』

「〜〜っ!来い!!」



急に入って来て黒板に書いてある文字を荒々しく消した我がテニス部部長、跡部景吾であり、あたしは無理やり屋上へ連れてかれた



ーーー
ーーーーー



「どうゆう事だ!!」

『いや、あたしにも分かんね』


即跡部に返せば、跡部ははあっと深い溜め息を付いたと同時にバンッと屋上のドアが開いた



「椎葉!!」

「やっと見つけたぜ…」

「椎葉先輩大丈夫ですか!?」

『おーっす、朝から元気元気』

「…なんや、泣いてへんやんけ」

『生憎、そこらの女みたいにあれぐらいで感情は揺らがねーよ』



でも必死で屋上に駆け上がって来たのだろう。みんなゼェゼェと息をしている。何故だろう、少し嬉しさを感じた







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