頭に衝撃を喰らったのも長髪頭が逃げたのと同時だった



『い"っで…』

「女がスカートを捲るんじゃねえ!!」

『短パン履いてたからいいじゃん!んなことで頭叩くなボケ!』

「んなことで済ますな!……とにかく来い!お前らもだ!!」

『いででで!腕引っ張るな!!』



あまりにも怒った跡部はあたしの腕を無理やり引っ張って歩き出した。そして未だに固まった奴らを見て、他の奴らスカート捲っただけで固まるもんなのかと疑問を抱いて仕方なかった




ーーー
ーーーーー



『ここ部室…?』

「理由など簡単だ。お前はそこら辺の女とちげえからだ」

『聞いてる?部室か聞いてんの』

「食いもん目当てで参加していたのもお前だけだった」

『今そんなこと聞いてないんだけど』

「お前なら仕事をこなせるだろうとここにいる全員が答えた」

『ダメだコイツ人の話聞いてねえ!誰か他の人、此処はどこ?』

「テニス部の部室だ」

『…聞いてんのだったら最初から答えろやあ!!』



今頃答える跡部にストレスは溜まりに溜まって殴りたい衝動を何とかして抑える



「蜜柑、蜜柑は俺たちの外見だけで判断しないでしょ?初めて蜜柑と会った時嬉しかったんだC」

「そやなあ、たしかに椎葉さんだけやったな。初対面でいきなりあんな事言うたんも」

『今でも思うよ。その丸眼鏡に渦を描いてみたいってね』



初めて忍足と話した時にポロッと出してしまった本音にあの頃の忍足は笑っていたなあ



「だからさ…頼む!椎葉にしか頼めねーんだよ!!」

『…さっきから思ってたんだけど赤髪とあたし同い年?』

「!!くそくそ!同い年だよ!」

『こりゃ失敬…(可愛いから年下だと思った)』



ジローと似た部類なんだね、と言えば赤髪はチビって言いたいのかと怒鳴られた。気にしていたのか


「椎葉先輩!お願いします!!」

『うっ…(身長高いのに何故か可愛い)』

「…お前なら」

『あ、逃げた人』

「う、うるせえ!お前なら香水の匂いとかしねえから…あれ気持ち悪くなんだよ」

『あたし香水よりシーブリーズ派だから』

「香水とシーブリーズを比べんな」



でも色々話を聞くと本当に苦労をしてきているみたいだ



『……』

「椎葉さん?」



やはり面倒くさいのは嫌だ



『すんません』

「蜜柑!」


そう一言を置いて逃げた




ーーー
ーーーーー



『だって面倒くさいじゃん…』



面倒くさいのが大嫌いなあたしにはマネージャーなんて続けられる訳がない。そんな事を考えながら歩いていたら本屋の中に入っていた



『…はあ、結局心揺らいでんじゃん』



手には"はじめてのテニス"と書かれた本







[ 32/72 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -