1年昼食タダに釣られてやってきたあたしは只今筆記テストをしている。聞いてねーよこんな事あるなんて。無理無理、勉強なんて大嫌いなあたしはテスト中最後まで寝ていた



「…何だアイツ」



小さなおかっぱ頭の試験官は不思議で仕方なかったらしい




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『体力テストか…』



面倒くさい。そう思いながらも運動は得意なあたし。普段サボリがちな体育の授業でも今日は本気で頑張ろうと思う



「なっ…マジかよ」

「どうかしたんですか宍戸さん?」

「あの女…俺らとタイムかわんねえぞ」

「え…?」



「お!コイツすげぇ!!」

「ん〜…どうしたのがっくん?」

「寝てんなよジロー!それよりさ、コイツ!!」

「ん〜?」

「氷帝にこんな運動神経が良い奴なんていたんだな!」

「Zzz…」

「…起きろ!!」




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『また筆記テスト…じゃない?』



配られた紙を見れば、参加した志望理由を書くらしい。そんなの簡単

1年昼食タダのため
そう書いて直ぐにまた寝た



「…誰だアイツ?」



1人だけまた眠りに入っている人物を不思議に思うきのこヘアーがいた




ーーー
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その日の放課後

「試験、終わったな」

「今年も多かったねー」

「本当、うぜえくれーにな」



溜め息をつきたくなる程疲れている様子の彼ら



「そういえばさ、俺変な奴見たんだ」

「誰だ?」

「跡部はさあ、筆記テストの時に寝ている奴とかいたか?」

「…いなかったが」

「つーかいんのか?のんな奴」

「それがさ〜いたんだよなあ」

「俺も見ました」

「マジマジー!?ぴよCもなの!」

「ぴよCて呼ばないでくださいと何度言えば分かるんですか!」

「お、落ち着き日吉…」

「しかもよお、筆記の時はやる気無しだったのに体力テストの時はすごかったよなジロー!」

「俺覚えてないC」

「あ…そういえば寝てたよな」

「ったく、ジローテメェも少しは真面目に審査しろ!」

「だって眠いんだもん…」

「体力テストなら俺たちも見つけたよな長太郎」

「はい!宍戸さん」

「へぇ、どんな子だったの?」

「俺たちは長距離のタイムを見てたんだけどよ…アイツだけずば抜けてんだよな」

「名前は何て言うんだ」







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