『…あ、遅刻』 氷帝学園2年生に進級したあたし椎葉蜜柑は始業式から遅刻した 『…面倒くさ』 そう吐き捨てながらも制服に着替えて支度をし、学校へ向かった ー ーーー ーーーーー 「ったく、お前は始業式から〜〜」 『はいはいすみませんでした。失礼しましたー』 「ちょっ、待て椎葉!」 うるさい担任なんかほっておいて自分の教室に行く。着いて中に入れば知っている人間も居れば知らない人間もいる 『(自己紹介とか面倒くさいし…寝よ)』 自分の席について直ぐに眠りにつこうとした時、1年の時同じクラスだった女子に呼び止められた 『…何?』 「あのね、去年椎葉さん居なかったから知らないと思うんだけど、良かったらこれに出てみない?」 『んー…面倒くさいから良いや』 「そう?参加者全員に食堂のタダ券が貰えるらし『出る』分かった!」 しまった。タダ券に釣られてしまったじゃないか。でもまあ、いっかと軽く流した。そしてその思考が後々後悔に繋がるとは全く考えなかった ー ーーー ーーーーー 「椎葉さん、今日の放課後にテニスコート前に集合だからね」 『え?何で』 「前言ったでしょ?タダ券が貰える話!」 『ああ、それか』 彼女の言葉に納得して、放課後テニスコートに足を運んだ。…運んだのは良いが 『…人多すぎ』 こんなにも人がいたらタダ券貰えなくなるのではないかと不安になってきた そんな時だった 「「「キャー!跡部様ー!!」」」 『うっせ…!』 パチンッ 「今日はよく集まってくれた。今日から3日間せいぜい頑張るんだな!」 誰だよアイツ。そんな思考しか巡らないあたしは早くも面倒くさいモードが発動し、帰ろうとする 「あれ、椎葉さんやん。何帰るん?」 『…忍足。帰る帰る、こんなに人数多けりゃタダ券貰えないだろうし』 「は?自分タダ券目当てで来たん?」 『逆に言えばタダ券の他に何があるのか知らないし』 そう答えれば忍足はふーん…とニヤついた。何だよ、うぜえ 「ちょい待ってな」 忍足は携帯を取り出し誰かに話かけた。特に忍足に興味はないし、早く家に帰りたかったので足を動かそうとした 「オイテメーら!もし俺たちに選ばれるようだったら…1年分の食堂代は俺様持ちだ!!」 「「キャー跡部様素敵ー!!」」 『……』 「な?やらへんか?」 『…全力でいく』 そして後に跡部と忍足が仕組んだ事を知る羽目になる → [mokuji] [しおりを挟む] |