「椎葉蜜柑」

『え、いきなりフルネーム?』

「馬鹿な事言ってないで早くテスト始めろ」

『や、その…解いてるんですが』



くすくすと教室内に笑い声が響く。先生もすまんと謝ってくれたのは良いが、謝ってくれなくて良いから答えを教えてほしい。あ、チャイムが鳴った



「蜜柑ーテストどうだった?」

『さっきの先生との会話聞いてたくせに聞こうとするかこのヤロー』

「…悪かったんだな」

『おうよ。テストは真っ白、消しゴムどころかシャーペンさえも使わなかった』

「…重症過ぎだC」

「跡部に何言われても知んねーぞ」

『何か言われたら亮のせいにするから大丈夫!』



グッと親指を亮に立てれば頭を叩かれた。亮って結構あたしの頭叩く確率高いよねって言えばそれはテニス部全員だ、と返された。すごく納得出来る返答ありがとう



「ジロー!!」



クラスに大声を出してやって来たのはぴょんぴょん跳ねる奴



『どうしたうさぎさん』

「誰がうさぎだ!」

『岳人くーん』

「黙れナマケモノ!…じゃなくて!!」

『あたしナマケモノなんてヒドくね?』



何やら慌てている岳人は暴言を吐き捨てジローにしがり付いている。亮はよっぽど岳人のナマケモノ発言がツボだったのか腹を抱えて笑っている。言われた本人は笑えないんですけどー



「おまっ…ナマケモノって、ピッタリじゃねーか!」

『マジ亮お前一回殴らせろ』



わりっ、本気で似てっから…!と謝られた。何でだろう、謝られたのに全く許す気になれないのは



「ガックンもテスト駄目だったのー?」

「マジやべーんだって!全く書けなかった…ジローは!?」

「俺もちょびっと書いただけだC」



そんな会話が聞こえたのでその会話にあたしと亮も加わった



「まあ…俺もあんまりだったな」

「ほんとか亮!」

「心配すんな、お前より間違いなく蜜柑の方が悪いから」

『おうよ!何も書かずに提出s……あ』


「どうしたのー?」

『名前書くの忘れた』

「「「……はあ」」」

『何そのため息』







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