せっかくお茶を持ってきたが誰も飲まずみんながアルバムを漁っている。とんだ無駄足だった。そして毎回毎回昔と違うと言葉を発するのでもう二度とアルバムを部屋に置かないようにしようと心から誓った 「蜜柑ーこれちょーだい!」 『えー写真を悪用する気?』 「それ良いな。俺も貰おう」 『ふざけんな』 「あ、これ忍足先輩と蜜柑先輩ですか?」 ジローと亮が勝手に写真を抜いているところに長太郎が1枚の写真を指した 『それは中1の体育祭の打ち上げだったかな』 「そういえば蜜柑と忍足は1年の頃クラス一緒だったな」 「そや、蜜柑むっちゃ嫌そうな顔しとるやろ?それなあ…『それ以上言ったらお茶ぶっかける』ちょっ、待ち!それはないで!」 「結局何だったんですか」 『若そこであえて聞くか』 絶対言うか。これはあたしが言いたくない話ベスト5に入る事だ 「フンッ、まあ俺様は知っているがな」 『……忍足』 「お、俺とちゃうで!」 『天誅ー!!』 「ぎゃああああ!」 「…日吉ー、てんちゅーって何?」 「自分で調べて下さい」 あたしは結局忍足にお茶をぶっかけた。そしてみんなが帰った後、後始末をしていたらアルバムがまた目に入る 『…ばーか』 所々写真が抜けている中(アイツ等抜いて行きやがったな)写真にはたくさん落書きがしてあった。鼻が豚になっていたり、アホ蜜柑とか書いてあって苛ついたけど 1枚だけ違った、その写真は去年の都大会優勝の写真でみんなが集合して撮った時のもの 『"蜜柑は日本一のマネージャー"か…』 馬鹿じゃないの そんな事思いながらアルバムから取り出して写真立てに飾るのは片付けを終えた後 『今度来るときは高級もんよろしく』 「え?高級ドリアンですか?」 『…長太郎ドリアン好きなの?』 next [mokuji] [しおりを挟む] |