「もうすぐクリスマスだな」

『そうだね』

「イルミネーション綺麗だろーなあ」

『そうだね』

「なあ…」

『ん?』

「なまえはそーゆーのに興味ねぇのかよぃ?」



クリスマスと言えばカップルの日という方程式があるあたしは特に興味を持っても仕方ない話だと思う。ブン太くんそう伝えれば何故かブスッとした顔をされた。何故なんだろう。



「それはブン太がみょうじさんとイルミネーションを見に行きたかったからじゃないかな?」

『それならそうと言ってくれれば良かったのに。』



ちなみに今は幸村くんにその事で相談していたのだ。ブン太くんと話したのは昨日の話であったりする。今日朝あいさつをしたらボケと返されてしまったので、さすがに凹んだあたしは偶然見つけた幸村くんに話を聞いてもらったのだ。幸村くんいい人すぎて泣けるよ。



「ブン太はね、いつも赤也に君を取られているからちょっと寂しかったんじゃないのかな?」

『あたしブン太くんにいつも飴あげてるのに?』

「それは餌付けと言うんだよ」


幸村くんに餌付けと言われて若干ショック。そんなつもりじゃなかったのに…喜んでいた彼を見るのが嬉しくてしていたのになあ。



「とにかく、みょうじさんはブン太と一緒にイルミネーションを見に行けば良いよ」

『イルミネーションかあ…分かった、ありがとう幸村くん』

「どーいたしまして」



微笑みながら去る幸村くんは天使のようだった。よし、取り敢えずイルミネーションのある場所を探してブン太くんを誘おう。




ーーー
ーーーーー



『ブン太くん』

「………なんだよぃ」

『あの、ですね…』

「……」

『そのっ…』

「……」

『えっと、そ「早く言いなよ」ぎゃっ』

「幸村くん?」



何故幸村くんが此処にいるの? 寧ろ若干怒ってる幸村くんが無言のブン太くんより恐い。



『あの、ね? イルミネーションが綺麗なスポットを見つけたんだ』

「ふーん。どーせ赤也と行くんだろぃ」

『わたしブン太くんとい、行きたいで…「なまえー!!」ひえっ!』

「それマジで言ってんのかよぃ!?」

『じゃなかったら勇気を出して言わないよ…!』

「もーめちゃめちゃ嬉しーぜぃ!! 」



べったりわたしに引っ付くブン太くん。一応此処クラスなんだけどなぁ。あと幸村くん、何で微笑んで自分のクラスに帰ってくのかな。



「早く行くぞぃ!」

『ま、まだ学校あるよ…!』





メリークリスマス!



「赤也に言ってやろーっと」

『ああ、面倒なことになる…』

「てか幸村くんは何でいたんだよぃ?」

『わたしにも分かんない』



「よし、みんな今日夜7時に例の場所に集合ね」

「「「「「「イエッサー!」」」」」」







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