「今週練習試合があるんスよ!」

『そうなんだ。それなら私が華和さんの助っ人として切原くんと一緒に行っちゃ駄目かな?』

「アイツの助っ人っつーより俺らの助っ人っスよね。」

『そうだったりもするね。』


最近分かったことだが、切原くんは人懐っこい性格らしい。対称的に私はどちらかといえば自分からはあまり話しかけるのは得意ではない方だ。こんな2人がどうやって付き合えると思うのだろう。


「お、みょうじと赤也じゃなか。」

『仁王くん久しぶりだね。』

「仁王先輩!」

「昼からイチャイチャしとるとはのぅ。」

「なっ…!?」

『あはは、』


なんと返せば良いのだろう。生まれてこの方付き合ったことがない私は、このような事態の対処の仕方を知らなかった。


「ま、嘘なんは知っちょるよ。」

「『…はい?』」

「詐欺師に嘘なんぞお前さんらには早すぎるぜよ。」

『…仁王くんにはかなわないなあ。』


さすがコート上の詐欺師(最近やっと立海レギュラーの二つ名を覚えた)と言っても過言ではないと思う。…もっとも、私も切原くんも嘘が得意ではない方だとも言えることかもしれないが。


「まぁ理由は聞かんが、せいぜいがんばりんしゃい。」

『…いつか絶対言うから、待っててね。』

「仁王先輩…ありがとうございます!」


仁王くんは切原くんの言葉を聞き、ひょうひょうとその場からいなくなった。私と切原くんは申し訳なさにひたっている時、


「やっぱりね。本当、分かりやすい奴らだ。」

「それがあいつ等の良いところでもあるがな。」


神の子と参謀が聞いていたとは全く気付かなかった。


嘘が苦手な2人


「あの2人を見ていると俺たちと年齢が変わらないとは思えないね。」

「そこは言うべきではないぞ精市。」

「ふふっ、でも赤也ばかりなのは許しちゃおけないなぁ。」

「…否定はできんな。」





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