丸井side

最近赤也に彼女が出来た。

赤也の彼女は俺の友達のみょうじなまえ。テニス部を贔屓目しない数少ない女だ。そして俺たちの中でも良い奴の部類に入っていた。


「なんかずりぃよなあ赤也の奴…」


俺は女子からちやほやされて決して嫌な気持ちにはならないが、でもやっぱり自分の隣に置く女は目利きのある奴が良いに決まっている。ミーハーな奴を選ぶ奴の神経が可笑しいぜ。

だから、その点を考えれば赤也は全く持って良い女を選んだと思う。みょうじはマジで良い奴だった。全体的に目立たないけど、性格とか良すぎだろぃ。


「俺も彼女ほしー…」

「あ、ブンちゃんはっけーん!」

「…げっ」


何でなんだろうな。みょうじと同じ性別なくせに対称すぎんだろぃ。別に可愛いわけでもないし、性格なんて最悪だ。

コイツは赤也に目を付けていたが、みょうじがいた事を知り、今度は俺を狙っているらしい。マジで止めてくんねえかなあ!


「ブーンちゃん」

「わりっ、俺幸村くんとこに用あんだわ」

「なら依子も行こうかなあ?」


気持ち悪い気持ち悪い。空気読めねえし、ぶりっこだし…モテねえ女の要素完璧じゃねーか。コイツ自身はモテていると甚だしい勘違いをしているみてーだけど。あーあ、みょうじが彼女だったらこんな思いしなかったんだろうなあ。


「いっそ略奪愛でもすっかな」


俺はぼそりと呟きその場を去った。もちろん華和がついてこないように全速力でな。


理想の彼女


「俺の好きなタイプはみょうじかも…」

『ふぁぁあ…あれ?今何時?』





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