いきなり付き合おうと言われたら誰もが少しは戸惑うと思っていたのに、どうやらそれは私の偏見だったみたいだ。



「あの…良かったら私と付き「ごめん、今は部活に専念したいんだ」そ、そっか。ごめんね」



そして私は告白に遭遇する確率が随分高いみたいだ。前には仁王くん、切原くんの華和さんとのを一応カウントすると今回で3回目だ。あ、確かこの前丸井くんがこのメールのご時世にラブレターを送られたとの報告も聞いたっけ。

我が学校の男子テニス部は本当に人気なんだと再認識した。



「みょうじさんは覗き見する人だったんだね」

『え…?』

「なんか意外だなー」

『や、その…』



なんと目の前には先ほどまで告白されていた幸村くんではないか。いつの間にいたのだろう。そしてこの雰囲気は何かな。



「ふふっ、嘘だよ。偶々みょうじさんが此処にいたら俺が呼ばれて来たんだよね?」

『そ…そうだと思う。って言うか私盗み聞きするつもりは…』

「あははっ!ごめんね?ちょっとからかっただけだからさ。まさかここまで困らせてしまうとは思わなかったんだ」

『…もう、幸村くん今日は意地悪だ』

「ごめんごめん」



今日の幸村くんはちょっぴり機嫌が良くないのかもしれない。だけどなんか新鮮だ。いつも大人びているのに今日はどちらかというと意地悪好きな子どもっぽさがある。

少しだけ可愛らしいなと思ってしまった。



『幸村くん、飴しかないけど食べる?』

「うん、ありがとうみょうじさん」



偶に見る幸村くんは意地悪好きな男の子。この時の彼はご機嫌斜めな時だと気付いているのはテニス部レギュラーと私が付け加えられたりする。





ご機嫌斜めな神の子



「あれ、幸村部長ぜってー機嫌悪いと思ったのに…」

「部活を中断されてまでだったからなー。確かにその割には機嫌良さげじゃん」

「みょうじを苛めたんじゃなか? あいつ結構あーゆー場に出くわすからのぅ」

「その確率は97%だ」

「俺は被害にあわなければそれで良いぜ…」

「だが、部活を中断するのは…「何みんなして集まっているんだい?」ゆ、幸村…」

「レギュラー外周100周か俺とあたるかどっちがいい?」



最後はみんなヘトヘトで帰った時には私はテレビで夕ご飯を食べていたりする。




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