現在私は東京の大型ペットショップにいる。理由は1つ、犬が好きだから。犬を飼っていないから余計に可愛く見えて欲しくなる。だけど私は最後まで世話をしないからと言って飼ってくれないのだ。何を根拠を言うのだろうね両親は。



「あ、みょうじ」

『! し…宍戸くん』



振り向けば宍戸くんとリードに繋がれているわんちゃん。えええ…宍戸くんのわんちゃん可愛い。



「お前生きもの何か飼ってるのか?」

『ううん、飼いたいけど親が許してくれないんだ。良いなあ宍戸くんわんちゃん飼ってるんだ』

「まあな……触っても良いぜ?」



私が触れたいオーラを宍戸くんは感じ取ってくれたらしい。ごめんね宍戸くん気を遣わせて。でも言う勇気がなかなか出せなかったんだ。



『わぁ…ふわふわだ。名前は何て言うの?』

「シュンだ。普通だろ?」

『普通が一番だよ。わわっ、くすぐったい』



ペロペロと私の手を舐めるシュン。やっぱり犬は癒やしだなあ。癒やしが欲しいよ。喉らへんをわしゃわしゃすればとても喜んでくれた。



「みょうじって犬好きなのか?」

『うん、大好き!』

「(コイツが目を輝かせるところはケーキ屋だけじゃなかったんだな)実はさ、コイツの首輪が古くなってよ…良かったら選んでくんねーか?」

『え、私が選んで良いの?』



私が問うと宍戸くんはああ、と直ぐに頷いてくれた。私のセンスで良いのかな?あんまり派手のじゃなくて、宍戸くんらしい青系統を選んだ方が良いのかな?私は沢山悩んだが、最終的に水色を選んだ。だって、氷帝と言ったら水色なんだとの私の勝手な方程式があったからだ。違っていたらごめんなさい。

ペットフードコーナーにいた宍戸くんを見つけ、渡しに行った。



「お、それ良いなって俺も思ってた奴じゃねーか」

『本当?良かった』

「じゃあそれ買って来るぜ」

『あ、もう買っちゃったんだ』

「は? まじで?」

『うん。選ばして貰っちゃったし、シュンと会えたお礼!』





熱血少年と平凡



私がそう答えたら宍戸くんは一瞬きょとんとした表情を見せたが、次に見せてくれたのは今日見た中で一番の笑顔だった





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