『幸村くんが花壇やっていたんだ』

「あ、みょうじさんおはよう。うん、一応此処の花壇は俺が担当なんだ」

『おはよう。綺麗に咲いているね』



幸村くんがきちんと世話しているおかげだね。と言って笑うみょうじさんはミーハーではないとすぐ分かる。彼女の香りは香水みたいな甘ったるい香りではなくて、ほのかに香るシャンプーの香り。俺は断然こっちのほうが好きだ。



「なんか照れるなあ、そんな事言われると」

『だって、本当だもん。この花たちも幸村くんに育てて貰えて絶対に嬉しいよ!私だったらめちゃくちゃ感謝するよ。綺麗に育ててくれてありがとうって』



彼女を一言で言えば純粋。花で例えるなら…ひまわりかな。素直なんだ、ひまわりみたいに太陽の光に沿って体を向けるように。そして笑顔も咲いているひまわりみたいだ。

俺は水色が好き。だけど、好きな女の子には水色や女の子らしいピンクを身につけてほしいとは思わない。俺は好きな女の子には黄色とか、オレンジとか健康色を身につけていてほしいと思うんだ。



「(そうと思うとみょうじさんはぴったりだよなあ)」

『わあっ!この花初めて見た』

「ふふっ、これはね…」



みょうじさんが俺の理想の女の子なのかもしれないな。まだ分からないけど、ね?





花壇と神の子



「(一緒にいて気を使わない女の子がみょうじさんしかいないもんなあ)」

『(あ、飛行機雲発見)』







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