今日は男女合同で体育をするらしい。しかもなんでなんだろう、私が転校して来た時にはもう体育祭が終わっているのに、二人三脚をする事になるなんて…。



『で、ペアがまさかの仁王くんなんだ』

「らしいの」



クラス、隣だったんだ。初知りだったのと、何故隣のクラスの仁王くんとペアになったのかが分からない。仁王くんに聞けば、私のクラスも仁王くんのクラスも人数が奇数らしく、偶々私たちがペアになったみたいだ。



『私遅いけど許してね』

「気になさんな。俺がペースを合わせちゃるきに」

『ありがと』

「プリッ」



仁王くんは面倒くさがりだと丸井くんや桑原くんから聞くが、体育にはきちんと出席しているし、言っていた割には真面目なんだと思う。偶に入れられる変わった言葉にはまだ慣れないけど。



『に、仁王くんその…ぷり?って何の意味があるの?』

「ピヨ」

『ぴ、よ?』



えええ…益々分かんない。どうしよう、ついていけないのは私だけだろうか。不安が段々と込み上げてきてあわあわしてしまった。



「ぶっ、みょうじ慌て過ぎナリ」

『わ、笑わないでよ…!結構悩んでいるのに…』

「それは悪かったのぅ」



と言う割にはくつくつと笑う仁王くんに、私も何か言葉を作ってみようと考えた。



『…ニョキ』

「ぶはっ」



言わないでおけば良かった!

仁王くんは周りが私たちを見ているのに盛大に笑っていてものすごく恥ずかしかった。ううっ…ここまで笑われるとは予想外かもしれない。



「お前さんさいこーじゃ」

『…もう二度と変な言葉言わない』

「つれんのぅ」



それから私は仁王くんに会う度、変な言葉を言わされるようになった。もちろん言わないけどね!





体育と仁王語



「みょうじー」

『言わないよ!』







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