真田くんは見た目も真面目、中身も真面目な人だ。だからなのかな、みんな女子は真田くんにあまり近づかないのだ。私ところんを除いて。



『真田くんはとっても良い人なのに』

「それを俺に言われてもな…」

『桑原くんだってなんだかんだ言って真田くんが好きな癖に』

「好きって……まあ、大事な仲間だな」

『なんで女子は偏見を持つのか分からないや』



今日はテニス部が休みらしく、こうやって偶に2人でファミレスで愚痴を聞いている。と言っても今日は私の一方的な愚痴だが。

今日廊下を歩いていたら真田くんに化粧を注意されて気に入らなかったのか、真田くんに悪口を言っていた人たちが私は許せなかった。



『真田くんは彼女たちの為に言っているのに…それを仇で返すなんて』

「みょうじって本当に良い奴だよな」

『? 私の何処にそんな要素があるかな?』

「別にみょうじは分かんなくて良いぜ。そうゆう無意識な所がみょうじらしくて良いしな」

『あまり褒められている気がしないなあ…』



「だってさ、真田」

「う、うむ……」

「お前の行為をちゃんと分かって貰える奴が俺たち以外にもいて良かったな」

「ふふっ、でも本当彼女は会う度に面白くて飽きないね」

「…みょうじは良い奴だからな」

「まだ照れているのか弦一郎……データに付け加えておこう」

「な…!そんなもの必要ない!!」

「うるさいよ真田。ジャッカルはともかくみょうじさんにバレちゃうよ」

「む……」

「まあ、別に盗み聞きしたわけではないからバレても良いんだけどね」



彼らの席は私の席の斜め後ろだったりする。もちろん私は帰るまで彼らがずっとそこにいたなんて知らなかった。





放課後のファミレス



『あれ、真田くん?』

「今頃気付いたのかよ!」







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