今日は土曜日、校長先生に大阪にある美味しいたこ焼きを買ってきて欲しいと依頼され私は現在大阪にいる。交通費とかは全額校長先生が負担するらしいが……こうゆう依頼もあるんだなと今更ながら所属する部活の凄さに驚きを隠せなかった。

それでも私は大阪は何処の店が美味しいかぐらいは理解しているから今回の依頼は良かった方かもしれない。



「なあ君1人なん?ならさー私たちと遊ばへん?」

「堪忍やけど…俺、連れを待っとるんです」

「んじゃあその連れを待っとる時間だけでもええからさ!」

「…だから、」



こうゆう状況は私にとってはよくある状況だ。だからかもしれない、無意識に体が動いていたのだ。



『あ、いたいた!遅くなってごめんね。すいません綺麗なお姉さん方、この人は私の大切な人なんで』

「なーんや、連れって彼女かいな」

「つまんなー行こ行こ!」



そう言ってその場を去っていくお姉さん達に内心謝り、私も一言言って去るつもりだった。



『急に出てきてすみません。次は絡まれないようにしてくださいね。では…』

「ち、ちょお待ち!ほんまおおきに!自分のおかげで助かったわ」

『いえいえ、困った時は……えっと、その』

「"お互い様"やっちゅー話やろ?」

『そう!それです。だから気にしなくて良いんですよ?』

「や、それでもほんまに嬉しかったわ。お礼になんか奢るわ」

『え? 別に…「アカン!それでは俺の気がスマン」…じゃあ、ジュースお願いします』

「了解や!ちょお待っとってな」



そう言ってどこかへ行ってしまった頭の色がミルクティーさん。数分したら戻って来た。早いなあ…。



『ありがとう』

「お礼は俺の方やって。ほんまおおきにな」



そう笑いながら言う彼は優しそうな笑顔で、幸村くんが一瞬頭によぎった。そうか、この人は幸村くんに似ている人なのか。

そんな事を考えながら美味しくいただき、本来の目的を思い出した。



『あ、たこ焼き買わなくちゃ。本当にありがとう、ばいばい』

「おん、じゃあ気を付けてな」

『そっちもね』



お互い笑って別れた。彼は最後まで笑っていてくれて本当良い人だなあ。



「ははっ…一本取られたわ」

「おーい白石!待ち合わせの場所にちゃんと居ってや!どこおんのか捜したでな!」

「スマンスマン。ちょお良い事あってん」

「? それ待ち合わせを変えとんのと関係あんの?」

「あるわ」

「はぁあ?全然意味分からんわ!」

「んな怒んなって謙也」



こんな会話がされているとは私は知らない。





聖書と平凡



『おじさんお久しぶりです。たこ焼き2つください』

「おっ、なまえちゃん久しぶり!了解、ちょお待っててな!2つと言うことはやっくんとか?それともしぃちゃんと?」

『ううん、校長と私の分なの』

「校長…?」





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