幸村side

本当、みょうじさんにはつくづく驚かされるよ。見た目は校則を守っているせいか、少し地味に見えるけど中身は…なんて言えば良いのかな、ほわほわした?けど偶に予想外で面白くて…普通なんだけど普通じゃなくて変わった子。よく分かんないや。

でも、1つだけ分かる。彼女は俺たちを普通の人として接してくれるところだ。


「せぇいち〜!」


コイツとは正反対だ。


「…何?マネージャーなら何かしらしてほしいんだけど」

「えー?だってえ〜顧問の先生が依子は何もしなくて良いって言ったもん」


最近調子に乗っているコイツは自分をあたしから名前で言うようになった。他の人なら別に何とも思わないけど、コイツだけは本当に無理。俺の苛立ちがかなり増した気がする。


「役に立つことぐらいしてくれないかな」

「え?依子、役に立ってるでしょ?」


応援してるじゃんか〜。と当たり前に答えるコイツは本物の痛い馬鹿だ。もう本当に黙って此処からいなくなってほしい。末期かも。

「依子はみんなのだから贔屓は出来ないけどぉ…心の中では精市が一番だからね!」

「(一々苛つかせる言葉を…)はいはい」



こんな時、マネージャーが華和ではなくてみょうじさんだったらなあ。未だに何か喋っているコイツをよそに、ふと浮かんだ想像は、俺が望んだマネージャー像だった。





神の子とトリップ人


「ねえ蓮二」

「何だ精市」

「俺もう本当に末期かもしれない」

「…対策を練ろう」





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