「あ、それうまそー」

『…これ?』

「その隣のやつ」

『大学いも?』

「おうっ」


目を光らせて答えるのは目の前にいる丸井くん。どうしよう…あげるべきなのか。


「ブン太、みょうじが困ってんじゃねえか。お前この前もケーキ食わせて貰ったんなら少しは自重しろよ」

「ほぅ…そんな事があったんか」

「ったく、丸井くんらしいですね」

「それでも丸井先輩手のひら返すの早すぎっス」


最後に悪態をつくのはもじゃもじゃくん。でも、前よりは睨まれないから良かった良かった。


「さて話は変わるがみょうじ。最近俺たちに何があったか知っているか」

『え?んー…華和さん絡みで?』


そう言えばこくりと首を縦に振る柳くん。ギャーギャー騒いでいる丸井くん達はよそに、この会話を聞いているのは柳くん、幸村くん、真田くん、柳生くん、私だ。


『…もしかして華和さんがレギュラー専属マネージャーになったこと?』

「! やはり知っていたのか」

『ま、まあ…その、本人に聞いたから』


私の余計な一言で騒いでいたメンバーも黙り、しんっ…と静まり返ってしまった。うわぁやってしまった…!


「それ詳しく聞かせてくれるかな」


ニコリと笑う幸村くんだが、疑問符をつけない所が恐怖を抱かずにいられなかった私は包み隠さず答えた。


「またぶつかったのか…たるんどるぞ」

「つーかタイミング良いのか悪いのか分かんねえな…」

「良いに決まってるじゃないか。こんな情報俺たちしか知らないんだからね」

「にしても厄介じゃのぅ」

「顧問シメるっスか?」

「んなことしたら俺らまでか処分下るだろぃ」

「困りましたね…どうしますか?」

「……」


何やら悩んでいる柳くんに嫌な予感しかしなかった。

ひとまず真田くんに用事を思い出したから教室に帰ると言ってその場から逃げることにした。


屋上ランチ2


「俺たちが直接下せないなら間者をいれれば良い話ではないだろうか」

『あ、丸井くんに大学いもあげるの忘れてた……いっか』





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