『えっと、赤髪さんがけんたくんのお兄ちゃん?』

「なあ健太…お前アイツと一緒にいたのか?」

『あれ?スルーされた…』

「うん!ブン太おにいちゃんがいなくてないていたときになまえねーちゃがケーキくれた!」

「…マジかよぃ」


にこにこと答える健太くんとは対象に赤髪さんは落ち込んでいた。私は何か彼に悪いことでもしただろうか。


『決して餌付けした訳では「悪かった」はい?』

「ちょっと目を離した隙にコイツが居なくなっててよ…本当に悪ぃ」

『や、あの…健太くんが可愛いかったので気にしないでください赤髪さん』

「激しく意味わかんねーんだけど」


…ですよね。でも私は彼に謝って欲しいわけではない。逆に謝って貰うよりも感謝される方が後味がいいよね。

でもそんな事を言えるような人間でもないので、じゃあまた何か奢ってくださいと言った。…よくよく考えればこっちの方が勇気いるよなあ…と思う。


「そん時は普通お互い様とか言わねえ?」

『…あ!』

「ばっかだなーお前。ま、良いけどよ」

『すみません…』

「おにいちゃんなまえねーちゃいじめたらめっ!」

『ぷぷっ、赤髪さんはお兄ちゃんなのに弟の健太くんに怒られてるー』

「うぜー、果てしなくうぜえ!…てかさ、いい加減赤髪さんって呼び名止めねえ?」

『……』


名前を知りません。そう言ったよね前?なのにもう一度言わせる気なんだろうか赤髪さんは。


「丸井ブン太。丸いじゃなくて丸井な!」

『うん分かった。丸いくんだね』

「……」

『丸井くん』

「よしっ。お前はみょうじだったよな?ジャッカルとか真田とかからよく聞くから覚えた」

『そりゃどうも』


いつの間にか敬語が抜けていったような気がする。たぶん、丸井くんがそのような雰囲気を醸し出しているからかもしれない。あ、笑った顔健太くんとそっくりだ。


「あ!それ新しく出来たケーキ屋じゃねーかよぃ!1つくれ!!」

『やだよ』



ケーキと迷子2


「ケチケチケチ!」

『…あげようか迷ってたのにやめた』

「嘘だって!信じてくれよぃ!」

『(まるで体だけ大きくなった健太くんだ)』





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