チーズと言う名の愛チャリを使って新しく出来たケーキ屋に向かう私。名前の由来は初めて自転車に乗った時、私がチーズケーキを食べていたからだ。

やはり開店時は人だかりで大変だったが、美味しそうなケーキを3つも買えて満足し、ケーキの箱を片手に愛チャリに跨って家に帰宅しようとした。

なのに…


「うぇえ…おにいちゃーん!」

『……』

「うぁああ…!おにいちゃあん!」

『……』


えええ…迷子かな、5歳くらいの男の子が公園で泣いているではないか。しかも周りは知らんぷり。世の中腐ったもんだなあ…と周りの大人を悲観し、愛チャリを止めて男の子に足を運んだ。


『僕お兄ちゃん探してるの?』

「うん…にいちゃ、いないの」

『そっかそっか、じゃあお姉ちゃんがお兄ちゃん探してあげるからさ、一緒ケーキ食べよっか』

「ケーキ?」

『うん。えっと…嫌い?』

「すき!」


泣き顔から可愛い笑顔に変わった男の子。やっぱり小さい子は笑顔が一番だなあと考えていたら、一番食べたかったチーズケーキを取られてうなだれた。これが大人だったら憎むけど、こんな可愛い子なんか憎める訳がない。


『僕名前何て言うの?』

「えっとねー…まるいけんた!」

『そっか、けんたくんね。私はみょうじなまえだよ、よろしくね』

「なまえねーちゃ?」


ずきゅぅぅうん!

首を傾げてこっちをみるけんたくんは破滅的に可愛い。可愛い過ぎる。こんな可愛い男の子を1人にするお兄ちゃんは一体誰なんだ!と叫びたい。


健太ぁー!

『? 何か声が「あ、お兄ちゃんだ!」へぇーよく分かった…ね、へ?』

「え?」

「ブン太お兄ちゃん!」

「『…え?』」


誰か説明お願いします。



ケーキと迷子


『これはく、桑原くんに聞くべきかな…?』

「なんでだよぃ!」




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