今日は調理実習でマドレーヌを作った。遅刻魔のころんは時間を計らったのか、出来上がる5分前に登場して来たのだ。


「…真田ってマドレーヌ似合わない!」

「遅刻して来た貴様に言われたくないわ!」

「ぷぷーちょー似合わない!」

「キェェエエエ!!」

『……』


まあ確かに真田くんは洋菓子よりも和菓子の方が似合うなと不覚にも思ってしまった。反省だな…。私は見た目は普通、味もたぶん普通なマドレーヌ3つをどうしようか考えた。


『1つはころんにあげて、1つは私が食べて、1つは…うーん悩むなあ』


周りにいるみんなはどうするか聞いてみれば、テニス部の人たちにあげるらしい。え、マドレーヌって2年生全員作るのにあげるの?と疑問を抱いてしまった。


『という事で柳くん、もじゃもじゃくんにあげといてくれるかな。私、1年で知ってるのもじゃもじゃくんしかいないんだ』

「まずは色々聞きたい所だが本当に変わってるなみょうじ。俺は丸井に渡すのかと…ああ、みょうじは未だに丸井を理解していなかったな」

『?まあ、その人でも良いよ。柳くんが食べたかったなら食べても良いし』

「何故弦一郎に頼まなかったんだ」

『(真田くんがマドレーヌを持っていたら似合わないなあって思ったからなんて言えない)そこはシークレットで』

「では何故俺に頼んだ」

『私柳くんがいるクラスしか知らないんだ』

「なるほどな」


それじゃあ処理よろしく。と言って私は自分のクラスに帰った。


「洋菓子はあまり好かないんだがな…」



調理実習でマドレーヌ


「大量大量!」

「ブンちゃんまた太るぜよ」

「ずっりぃ先輩達!俺も欲しいっス!!」

「人に貰うなんぞけしからん!」

「まあまあ、落ち着けって真田…」

「あれ、蓮二も貰ったの?珍しいね、いつもなら苦手だからって断ってるのに」

「処理してくれと言われてな」

「じゃあ柳先ぱ「やらん」

「ええー!?なんでっスか…」

「ふっ…秘密だ」





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