今日は放課後にジローくんとケーキを食べに行く約束をした。ジローくんは部活をしているらしいけど、今日は休みらしいから私を誘ってくれたらしい。そんな気遣いが出来る優しいジローくんは天使だと思う。


『先に店内に入ってるね…っと』


我ながら無愛想なメールを送り、返信を待とうとしたら電話がかかって来た。ジローくんからだ。


『もしもし?』

《なまえー?メール来た時ちょうど着いちゃったC!どこにいんのー?》

『えっとね、店内の一番奥にいるから分かりやすいと「いたー!」…?』


叫んだのはジローくんだが、隣にいる人たちは誰だろう。私会った覚えがひとかけらもないんだけど。


「ジロー、コイツが言ってたケーキ仲間?」

「つーか立海生じゃねえか!」

「そうだC!なまえなまえ、右にいる髪が長いのは宍戸で左にいるちっこいのはガックンだよ!」

「くそくそ!ちっこいって何だよ!!ジローだって同じじゃねえか!」

『え、あ…』

「すまねえな、ジローがどうしても会わせたい人がいるって連れて来られたんだ」

『い、いえ!ちょっと驚いただけなんで…私はみょうじなまえ。よろしくね宍戸くん』

「ああ、よろしくみょうじ」

「俺は向日岳人!よろしくな」

『よろしく向日くん』

「じゃあ今日は何食べるー?」


随分とマイペースなジローくんに宍戸くんは呆れている様子で、反対に向日くんは一緒に興味津々にメニューを見ている。大方、宍戸くんはこの2人の親代わりなんだろうなと予測する。


「みょうじのオススメって何だ?」

『私のオススメかあ…一番好きなのはチーズタルトかな』

「じゃあ俺フルーツタルトにしよっと!」

『向日くんそれって私に聞いた意味ってあった?』

「俺はみょうじのオススメでいいや」

『宍戸くんの投げやりっぽいのもなんか納得いかないんだけど…!』

「俺は今日のオススメのケーキ!」

『ジローくん、少しはフォローしてほしいな』


切なくなってきたと思えば、3人は急に笑いだした。もう…今度は何なの!



ケーキ仲間


「ジローの言った通りだ!みょうじマジ変わってるぜ!」

「ああ、女とこんな会話初めてだ」

「ねー?なまえと話していて楽Cでしょ!」

『話が読めないよジローくん』





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