「『あ』」


廊下を歩いていたら、もじゃもじゃくんと言う名の天敵に出会いました。


「『……』」

『…あ!』

「は?」


制服のポケットからごそごそと何かを取り出す。生憎私は負けず嫌いなので、やり返さなければ気が済まないタイプなのだ。


『これ』

「携帯見せて何の意味がある訳?意味分かんねーんだけど」

『こ、これは桑原くんとのメール!』

「!」

『前は何も言い返せなかったけど…私は桑原くんと真田くんと柳くんと…とととと、友達です!』

「はあ?」

『そして幸村くんと仁王くんは知り合いです』

「はい?」

『赤髪さんとは華和さんが苦手と言う共通点があるだけです』

「いや、最後の特に意味不明」

『もじゃもじゃくんは天敵です』

「もじゃもじゃって俺のこと言ってんの?潰すよアンタ?」

『すみませんでした』


やっぱり怖いもじゃもじゃくんんんん!!で、でも柳くんと話をしてからもう負けないと決めたんだ。私は3人と友達、それは変わらない。


「はあ…本当アンタって何?誰が目当てなんだよ」

『? 目当てって…友達になるのに目当てとかいるの?』


生憎私は目当てとかよく分かんないからなあ…と真剣に悩めば、またため息をつかれた。つきたいのは私の方なのに…。


『な、なんなら柳くんとのメール見る?真田くんはなかなかメールしないから全然ないけど…』

「もういい」

『え、信じて貰えた?』

「そこって普通信じて貰えなかった?って聞くところじゃね?」

『私プラス思考だから』

「…まあ、まだ華和先輩よりはいっか」


何やら呟いたもじゃもじゃくん。え、私華和さんと比べられていたの?ショックだ。


「つーかアンタ2年だったんだ。全然見えねー」

『…もじゃもじゃくんムカつく』


もじゃもじゃくんとは仲良くなるのはまだまだ先の様子…。



vsもじゃもじゃくん


「そのもじゃもじゃくんって止めろよ!」

『だって名前知らないから…』





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