次の日私は新聞部に依頼されたものを届けに行けば、熱烈に歓迎された。何故こんなにも歓迎されるのだろう。


「みょうじさん、例の写真は…」

『はい。これですが…』


デジカメを見せれば、どっと人が集まった。しかも女の子ばかり。そんなに男子テニス部が写真に映ることは貴重なのだろうか。


「幸村くん写真でも綺麗…!」

「これ、真田くんと柳くんの2ショットよ!カッコいい…」

「きゃあぁぁあ!丸井くんと切原くんがピースしてるぅぅう!!」

「これなんてジャッカルくんが後輩に指導してるとこよ!」

「仁王くんと柳生くんが話し合いしてる!目の保養だわ…」


キャーキャー騒ぐ新聞部の皆さんには申し訳ないが、写真は新聞に載せる分しか渡せない。これは幸村くん達と決めた約束事だ。なにやら前に写真の売買があったらしく、同じ事を繰り返したくないらしい。


「お前すげーな」

『真田くん達は普通に許可くれましたよ』

「それは例外。みょうじだからだよ」

『そうですかね…?』「あ、俺新聞部部長の北山和樹。よろしくな」

『よろしく。あと、写真は新聞に載せる分だけにしてほしいらしいから、それだけは守ってね』

「了解」


じゃあまたデジカメ取りにくるね、と新聞部の部室から出ようとした時に北山くんに止められた。


「あのデジカメってみょうじの?」

『ううん、何でも部の』

「ふうん…そっか、サンキュー」

『いえいえ』



新聞部部長と平凡


「何でも部には色々揃ってっから一眼レフもあった筈なのに何でデジカメをチョイスしたんだろうなあ…」

『依頼の褒美とかって貰えるのかな…』




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