パシャパシャと次々と写真に納める私。流石柳くんだ。今の私は男と思われているのか、変な視線を全く感じない。その代わり、イヤにカメラ目線な人もいるけどね。


「おーい、写真部ー!俺撮ってくれよぃ!」

「ずっり丸井先輩!俺も俺も!撮って欲しいっす!」

『うっ…(この子は前のもじゃもじゃくんではないか!)じ、じゃあ2人並んでください。はいチーズ』


ぱしゃりとフラッシュ付きで撮ったので、2人が映った写真は若干眩しそうだった。まあ、これで良いだろう。と未だに撮れ撮れうるさい2人を後に色んな人達を撮っていた。


『あれ、柳生くんにいちょうの木にいた人だ』


2人が何やら話しているところをぱしゃり。フラッシュ機能は付けなかったから向こうは気づかないだろう。そして何やら真田くんの怒鳴り声が聞こえると思えば、真田くんの前には華和さんがいた。何かやらかしたのだろうか…と思いながらもぱしゃり。


「あれはもう日常茶飯事ナリ」

『え、あ…いちょうの木の下にいた人さん』

「…仁王雅治じゃ」
『みょうじなまえです。…仁王?仁王くんってこの桂の?』

「おお、そうじゃよ」

『ありがとうございます。この桂のおかげでファンクラブに目を付けられないで済みそうです』

「良かったな」

『あと、さっきの日常茶飯事って…あれが?』

「アイツが物覚えが悪すぎるじゃき。それで真田が怒るんよ」

『へえ…ドンマイです』


そう言えば、ピヨッと訳わからない言葉を返されどこかへ行ってしまった。…仁王くんは不思議な人だと学んだ日だった。



ぱしゃりぱしゃり


「なあ幸村くーん」

「なに、どうしたの丸井」

「普通さー、写真部ならデジカメじゃなくて一眼レフとか使うんじゃねえのかなあって思ったんだよぃ。コレって俺の偏見?」

「ふふっ…みょうじさんは面白いからね。変わった事をしてくれるんだよ、きっと」

「?」




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